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3チャネル同時データ受信可能な車載用UHFトランシーバNXP NCK2983

NXPセミコンダクターズは、車載用UHFトランシーバICとして、「業界初」(同社)というマルチチャネルで同時にデータ受信できる機能を搭載した「NCK2983」を発表した。同時受信機能は最大3チャネルで行える。

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 NXPセミコンダクターズ(以下、NXP)は2013年8月14日、車載用UHFトランシーバICとして、マルチチャネルで同時にデータ受信できる機能を搭載した「NCK2983」を発表した。同時受信機能は最大3チャネルで行える。NXPによるとマルチチャネルでの同時受信機能を備えた車載用UHFトランシーバICは「業界で初めて」という。


車載用UHFトランシーバIC「NCK2983」

 NCK2983は、ワイドバンドデジタルIFと呼ぶ技術を初めて採用し、複数のチャネルで並行してデータを受信できるようになった。同技術は、SDR(ソフトウェア無線)に類似した技術だという。RF信号を高速のシグマデルタ型A-Dコンバータでダウンミックスし、DSPユニット内で最大3個のチャネルそれぞれへの信号入力が行えるようにした。各チャネルは個別に設定でき、特定の周波数に合わせてベースバンドに信号をミックスダウンして、関連するチャネルフィルタや復調システム、クロックリカバリの設定が行える。

 これまでのマルチチャネル型トランシーバは、データ伝送に使用可能な全ての周波数帯をチェックする必要があり、信号は1チャネルずつ順にポーリング※)することしかできなかった。これに対し、NCK2983は、3つのチャネルで同時受信できるため、ポーリング時に必要な「アウェイク」(動作停止状態を解除して起動させる)状態の時間を短縮して全体の消費電力を大幅に低減できるという。

※)通信の競合を避けるなどの目的で、各チャネルの送信元に定期的に状況を確認する通信処理のこと

 搭載する周波数シンセサイザは、315MHz帯から950MHz帯までの各種汎用ISMバンドでの動作に対応し、周波数ホッピングも行える。3つのベースバンドチャネルはそれぞれ、自由に周波数を切り替えられる。

 32Kバイト容量のフラッシュメモリを備えた16ビットRISCマイコンも備え、「1チップで完全なアプリケーションを構築できる」(NXP)とする。NXPでは、NCK2983の応用用途として、キーレスエントリー、リモートスタート、タイヤ空気圧監視など無線を利用する各種車載システムを想定している。

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