ルネサス、白物家電などでカメラ機能を簡単に実現するマイコンを発表:ルネサス RX631グループ
「RX631グループ」は、CMOSカメラモジュールの接続を容易にするPDC(パラレルデータキャプチャユニット)を内蔵した32ビットマイコンである。カメラ機能を搭載する白物家電や自動販売機、宅内用簡易監視カメラといった用途に向ける。
ルネサス エレクトロニクスは2013年10月、CMOSカメラモジュールの接続を容易にするPDC(パラレルデータキャプチャユニット)を内蔵した32ビットマイコン「RX631グループ」のサンプル出荷を始めた。内蔵するメモリ容量の違いなどによって15品種を用意している。カメラ機能を搭載する白物家電や自動販売機、宅内用簡易監視カメラといった用途に向ける。
RX631グループは、動作周波数が100MHzで演算性能が165DMIPS(Dhrystone MIPS)の32ビットCPUコアをベースに、CMOSカメラモジュールの接続に有用なPDCを内蔵したのが大きな特長である。さらに、パワーオンリセット(POR)や低電圧検出回路(LVD)、発振回路などの周辺回路も内蔵している。
既存のシステム制御用マイコンを使ってカメラ機能を実現しようとすると、カメラインタフェースを備えた新規のマイコンを追加しつつ、その周辺部品としてクロックICやリセットIC、電源IC、画像データ処理用メモリなどを用意する必要があった。
これに対して、RX631グループを用いてカメラ機能を搭載したシステムを開発すると、新規のマイコンや周辺部品を用意する必要がないため、新たなマイコンを追加して開発した場合に比べて、システムコストを約30%低減することが可能という。また、RX631グループは消費電流が100MHz動作時で100mAと少なく、高性能マイコンを新たに追加した場合に比べて、消費電流はほぼ半分にできる見通しだ。
RX631グループは、RAMを128kバイト内蔵している。ROMは品種によって内蔵する容量が異なり、256kバイト/384kバイト/512kバイトの3タイプを用意している。特に、内蔵ROMは100MHz駆動のためノーウエイトでアクセスすることができる。また、USB2.0フルスピードやCAN、I2C、8/16ビットタイマーなど、さまざまな周辺機能も1チップに内蔵している。
サンプル価格は512kバイトのROMを内蔵した144端子LQFPパッケージ品で890円。2013年12月より量産を始め、2014年6月には月産10万個を予定している。
RX631グループを使ったシステム開発者向けに、新統合開発環境「CubeSuite+」や統合オンチップデバッギングエミュレータ「E1/E20」および、評価用ボード、ドライバソフトウェアのサンプル、画像処理用ミドルウェアなども用意している。
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