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どう選ぶ? PCとターゲットを接続するツール マイコン入門!! 必携用語集(8)(1/2 ページ)

前回の開発環境編では、マイコンを用いたシステム開発で使用する開発ツールや統合開発環境(IDE)を中心に、全体的な開発の流れについて解説しました。そこで今回は、デバッグケーブル、ICE、エミュレータといった、ホストPCとターゲット・ボード間を接続するツールについて解説します。今回の記事を通して、目的に合ったツールを見つけてみてください。

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「マイコン入門!! 必携用語集」連載一覧

 マイコンのソフト開発において、デバッグを行う際、ホストPCとターゲット・ボードを接続するためのツールが必要になりますが、このツールは、大きく「イン・サーキット・エミュレータ」(ICE)と「オン・チップ・エミュレータ」の2つに分けられます。それぞれの特徴について説明します。

イン・サーキット・エミュレータ

 イン・サーキット・エミュレータは通常ICE(アイス)と呼ばれ、ターゲット・ボード上のマイコンを外したソケットにプローブを当ててデバッグを行います。ターゲット・ボード上にマイコンがない代わりに、ICE自体にマイコンと同等の機能を持ったエミュレーション・チップやメモリを内蔵し、ターゲット・ボード上の信号を監視、制御することができます。CPUの動作はICEのエミュレーション機能が担い、周辺回路の動作は実際のターゲット・ボードの信号が使用されます。リアルタイム・トレースなどの高度なデバッグが可能であることが大きな特徴であり、ソフトウェア開発において何らかの問題が発生した場合、原因特定のための解析にICEが用いられるケースがよくあります。最近では、単にICEではなく、あらゆるデバッグが行えるという意味を含めて“フルICE”と呼ばれることが多いようです。


イン・サーキット・エミュレータ(ICE)のイメージ

 ICEは、リアルタイム・トレースなどの高度なデバッグが可能である一方、以下のようなマイナス面もあります。

  • ターゲット・ボードにソケットが搭載されている必要がある
  • ICEのハードウェアが高価
  • ターゲットのマイコンが変わるとICEも変える必要がある

 上記のような理由から、近頃では、マイコン向けのソフトウェア開発において、オン・チップ・エミュレータを使用し、ソフトウェアの動きを詳細に解析する必要があると、ICEを使うという流れが多いようです(もちろん、ソフトウェア開発の初期段階からICEを導入する開発者もいらっしゃいます)。

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