東芝のバックモニター向けCMOSセンサーはTSV技術で30%小型化、HDR機能も搭載:車載半導体
東芝の車載カメラ向けCMOSセンサー「TCM5126GBA」は、TSV(シリコン貫通電極)技術の採用により、従来品と比べて実装面積を約30%削減している。逆光条件でも被写体を高品質に撮像できるハイダイナミックレンジ(HDR)機能も搭載した。
東芝は2013年11月11日、車載カメラ向けのCMOSセンサー「TCM5126GBA」のサンプル出荷を開始したと発表した。
TCM5126GBAは、解像度がVGA(640×480画素)のCMOSセンサーである。従来品の「TCM5114PB」と比べて、太陽や自動車のヘッドランプによる逆光条件でも被写体を高品質に撮像できるハイダイナミックレンジ(HDR)機能を新たに採用した。また、後方駐車を支援するバックモニター向けに、映像の出力を反転するピクチャーフリップ機能や、あらかじめ設定した軌跡を画像に合わせて出力するオンスクリーンディスプレイ機能、任意の箇所を拡大するズーム機能、シフトレバーを後退から前進に切り替えても一定時間映像を出力するタイマー機能を搭載。電源と連動してCMOSセンサーが自動で動作する自立動作機能により、車載カメラの部品点数も削減できる。
さらに、TSV(シリコン貫通電極)技術を用いたチップサイズパッケージ(CSP)を採用することで、実装面積を約30%削減した。TCM5114PBのパッケージの外形寸法は8×8mmだったが、TCM5126GBAは6.78×6.33mmになっている。この他、動作温度範囲も、従来の−40〜85℃から、−40〜105℃まで拡大した。
その他の仕様は以下の通り。光学フォーマットは4分の1インチで、アスペクト比は4:3。画素サイズは5.6μm。フレームレートは60fpsとなっている。制御インタフェースは、TCM5114PBのI2Cから、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)に変更されている。
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