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マイコンが港で行う仕事とは? 「入出力ポート」:マイコン入門!! 必携用語集(9)(3/3 ページ)
マイコンが行う仕事の中で、最も簡単な仕事は、「端子から0/1の信号を出すこと」と、「端子に入力された0/1の信号を読み取ること」です。非常に簡単な動作ですが、非常に重要な動作です。どんな高機能なマイコンでも、必ず使われている機能であり、今回はこの機能を行う「入出力ポート」を説明します。
出力特性
一般に1を出力するときの電圧をVOH、0を出力するときの電圧をVOLと呼んでいます。この時は、出力バッファのMOSの特性が影響します。図5、図6を見てください。
1を出力するときはPMOSがON(図5)、0を出力するときはNMOSがON(図6)します。そのため、それぞれの場合でPMOSとNMOSで電圧降下が発生し、若干電源電圧(Vdd)とGNDレベル(Vss)と異なった電圧レベルが出力されます(図5/図6のVpmosとVnmos)。その結果、出力電圧はVOH=Vdd-Vpmos、VOL=Vss+Vnmosとなります。
具体的な値は、マイコンの電気的特性が記載されているマニュアル類を参照してください。
また、出力データが1でも0でもない場合があります。PMOSとNMOSがどちらもオフしている場合です。これを「ハイインピーダンス」または、「オープン」「トライステート」と呼びます。記号ではH-Z、High-Zなどと記載されます。ハイインピーダンスとは、電源またはGNDに対して高インピーダンス状態という意味です。また、HとLの2つの状態に加えて、3つ目の状態という意味でトライステートとも呼ばれます。オープンとは、その名の通りどこにもつながっていないという意味で使われます。
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