入力電圧の変動にも安定した出力を維持、リニアの昇降圧DC-DCコン:リニアテクノロジー LTC3111
「LTC3111」は、入出力電圧が最大15Vで、出力電流は最大1.5Aの同期整流式昇降圧DC-DCコンバータICである。入出力電圧範囲が広く、入力側の電源電圧が変動する用途などにおいても、ノイズが小さい安定した出力電圧を得ることができる。
リニアテクノロジーは2014年1月、入出力電圧が最大15Vで、出力電流は最大1.5Aの同期整流式昇降圧DC-DCコンバータIC「LTC3111」を発売した。入出力電圧範囲が広く、入力側の電源電圧が変動する用途などにおいても、ノイズが小さい安定した出力電圧を得ることができる。このため、ノイズの影響を受けやすいRF回路などの電源に適している。
LTC3111は、入力電圧と出力電圧の範囲が2.5〜15Vと広く、ノイズが小さい昇降圧トポロジを採用しているため、昇圧モードと降圧モード間の移行もジッタがなく、安定した電圧を出力することができる。スイッチング周波数は800kHzで、600k〜1.5MHzの範囲で外部クロックに同期することができる。
また、第3世代となる独自の昇降圧PWM回路を採用することで、外付け部品の小型化を可能にするとともに、高い効率を実現している。LTC3111はオン抵抗の小さいNチャネルMOSFETを4個内蔵しており、効率は最大95%を達成した。さらに、「Burst Mode」動作を選択すれば、暗電流を49μAまで減少させることができ、軽負荷時の効率をさらに高めることができる。
LTC3111は、外形寸法が3×4mmの14端子DFNパッケージと、熱特性を改善した16端子MSOPパッケージを用意している。1000個購入時の参考単価は、LTC3111EDEが3.50米ドル、LTC3111EMSEが3.60米ドルより。さらに、動作温度範囲が−40〜125℃のインダストリアルグレード版、同じく−40〜150℃の高温度グレード版、−55〜150℃の高信頼性グレード版も用意している。
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