樹脂外部電極で“割れ”などを抑制、太陽誘電の積層セラコン:太陽誘電 HMJ212BB7104KGHTなど
「HMJ212BB7104KGHT」は、樹脂外部電極を採用した積層セラミックコンデンサである。外部電極に伸縮性のある樹脂を用いることで、電子部品の割れや接合部におけるはんだクラックの発生を抑えることが可能となる。車載用電子部品の信頼性試験規格「AEC-Q200」に対応しており、車載電子機器や産業機器などの用途に向ける。
太陽誘電は2014年1月、樹脂外部電極を採用した積層セラミックコンデンサ「HMJ212BB7104KGHT」など3品種の量産を始めた。外部電極に伸縮性のある樹脂を用いることで、電子部品の割れや接合部におけるはんだクラックの発生を抑えることが可能となる。車載用電子部品の信頼性試験規格「AEC-Q200」に対応し、車載電子機器や産業機器などの用途に向ける。
新製品は、静電容量が0.1μFの「HMJ212BB7104KGHT」(外形寸法は2.0×1.25×1.25mm)、1μFの「HMJ316BB7105LHT」(同3.2×1.6×1.6mm)および、2.2μFの「HMJ325AB7225KMHT」(同3.2×2.5×2.5mm)の3品種。新開発の積層セラミックコンデンサは、外部電極の一部に伸縮性のある導電性樹脂を用いることで、たわみや熱ストレスなどが加わるような、過酷な使用環境にも対応できるようにした。
自動車の電池系統や産業機器の電源回路など、振動や衝撃の多い用途では、外部から力が加わり、電子部品を実装した回路基板にたわみが発生することで実装部品に割れが生じることがある。また、使用される環境によっては温度変化が大きく、回路基板が膨張と収縮を繰り返すうちに、電子部品と回路基板を接合しているはんだ部分がはがれてしまう(はんだクラック)現象が起きることもある。新製品は、こうした課題を解決することができるという。
サンプル価格はHMJ212BB7104KGHTが12円、HMJ316BB7105LHTとHMJ325AB7225KMHがそれぞれ15円。製造は韓国慶南太陽誘電で行い、2014年1月より月産1000万個で量産を始めた。
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