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SPICE応用設計(その1):パラメトリック解析SPICEの仕組みとその活用設計(12)(1/4 ページ)

これまでSPICEとはどのようなものかを紹介してきた本連載。いよいよ今回からは、SPICEというツールをどう設計に応用していくかを紹介してきます。今回は、オーディオアンプの設計を例にとりながら、「パラメトリック解析」の解説を行います。

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 本連載「SPICEの仕組みとその活用設計」では前回までに、

  • SPICEは回路をどうやって解いているのか?
  • DC解析、過渡応答はどのように計算しているのか?
  • 解析エラーの原因は何か?また、対策はどうするのか?
  • SPICEで使うモデルとは何か?

について簡単に説明してきました。

 今回からはこのSPICEというツールをいかに設計に活かしていくかを考えます。また、今まで説明してこなかったいくつかの機能についても都度、説明していきます。

 なお、例題を解いていくツールとしては主として「PSpice Ver.8.2」を使いますが、これは筆者の環境によるもので特に理由はありません。他のツールについても分かっている限り説明していきます。


設計仕様

 まず、目標がないと設計を開始できませんので、次のような仕様のオーディオアンプを設計することにしましょう。

※オーディオアンプを選んだのは、知財権が既に失効していることに加えて、設計上今まで説明してこなかったAC解析機能を使うものであることからです。


  1. 8Ωスピーカーに1Wを供給
  2. ヒートシンクの要求熱抵抗を算出する
  3. ±電源を使用したB級DCアンプとする
  4. 電源電圧は±10%変動するものとする
  5. 0.1V600Ω入力で1Wを得る
  6. 温度ドリフトについても考慮する

 設計を始めるにあたっては、順守しなければならないのは、1)安全規格、2)ユーザー仕様、3)社内標準、…の制限です。今回はDC駆動のオーディオアンプですから回路設計の段階では安全規格は除外できます。


【図1】基本オーディオアンプ回路図

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