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FPGAの進化を上回れ! 生産5年目に突如現れた起動不良Wired, Weird(3/4 ページ)

FPGAはハードウェアをプログラムできるデバイスで機器の高性能化や小型化には欠かせなくなってきている。複数のFPGAが実装される基板も多くなった。今回は、重要部品となったFPGAに起因したと思われるトラブルと、その原因について詳しく調査を行ったので紹介する。

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FPGAは正常なのか?

 では、FPGAの動作は正常なのだろうか?

 FPGAメーカーの販売代理店に問い合わせた。その際、代理店に示されたFPGAメーカーのデータシートにある「電源投入時のコンフィギュレーションの構成を開始するタイムチャート」を図4に示す。


【図4】「電源投入時のコンフィギュレーションの構成を開始するタイムチャート」 (クリックで拡大)

 図4のタイムチャートから、FPGAの1.2V電源が1.0Vに、2.5V電源が2.0Vになると、外部からの信号を受けて5ms後にINIT_Bがハイになり、コンフィギュレーションの構成が開始されることが分かる。また外部からの信号を受けるには3.3V電源が立ち上がっている必要がある。図1のINIT_B信号から5msの時間で逆算すると3.3V電源は約1.7Vの電圧に相当しこの電圧でFPGAのロジック動作が始まったことになる。

 FPGAの動作も正常に見えるが、なぜPROMのデータが正しく読み込めないのだろうか? 2.5V電源のスペック自体に問題はないのだろうか?

 FPGAの代理店に、2.5V電源のスペックについて再度質問した。すると、“2.5V電源の推奨条件はMin2.375V、Type2.5V、Max2.625Vです”との回答があった。図1でINIT_Bが立ち上がった時の2.5V電源の電位は2.2V程度しかなく、動作保証される2.375Vに達していないことになる。

 FPGAの代理店へ図4の2.5V電源の判定値の2.0Vの意味について再度質問したら、“2.0VはFPGAのコンフィギュレーションデータを保持する電圧です”と回答を受けた。

 あれっ!?

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