ウォッチドッグタイマやリセット、LDOレギュレータの機能を1チップに集積:セイコーインスツル S-19500/19501
セイコーインスツル(SII)の「S-19500/19501」シリーズは、ウォッチドッグタイマ機能やリセット機能を内蔵したLDOレギュレータICである。車載用電装機器や産業機器に搭載されたマイコンなどへの電源供給や誤動作監視といった用途に向ける。
セイコーインスツル(SII)は2014年7月、ウォッチドッグタイマ機能やリセット機能を内蔵したLDOレギュレータIC「S-19500/19501」シリーズを製品化し、受注を開始した。車載用電装機器や産業機器に搭載されたマイコンなどへの電源供給や誤動作監視といった用途に向ける。
S-19500/19501シリーズは、これまで個別に供給されてきたLDOレギュレータICと、電源電圧を監視するリセットIC、マイコンの誤動作を監視するためのウォッチドッグタイマICの機能を1チップに集積した。これによって、実装面積の省スペース化や部品点数の削減、回路設計の簡素化を可能にする。動作温度範囲は−40〜125℃で、車載用途にも対応することができる仕様となっている。今後、自動車向けIC品質規格「AEC-Q100」にも対応する予定である。
レギュレータ部は、入力電圧4.0〜36.0Vに対して、電圧3.0〜5.3V(0.1Vステップ)、電流200mAを出力することができる。しかも独自のレーザートリミング技術により精度も高めた。レギュレータ部の出力電圧精度は±2.0%、リセット部の検出電圧精度も±100mVを達成している。
ウォッチドッグタイマ機能は、実装されたWEN端子より、強制的にオン/オフを切り替えることが可能だ。マイコンの起動時やソフトウェアのアップデート時など、システムが不安定な時に機能を止めることができる。さらに、WADJ端子を利用すれば、レギュレータの負荷電流に応じて、ウォッチドッグタイマ機能を自動的にオン/オフ制御するように設定することも可能だ。例えば、マイコンがスリープモードの状態では同機能を止めておくことができる。オン/オフを切り替える基準となる出力電流値は、WADJ端子に抵抗を外付けすれば調整することができる。
なお、S19501はリセットIC部の出力端子とウォッチドッグタイマ出力端子が分離されている。これにより、電圧低下時のリセット処理とウォッチドッグタイムアウトにおける例外処理を、マイコン側で切り分けて行うことが可能である。
パッケージは外形寸法が5.02×6.0×1.68mmの8端子HSOP-8Aで供給する。サンプル価格は200円。
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