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スマートメーターの低消費電力設計電源設計(2/2 ページ)

世界規模で電力消費を削減し、電力使用量と請求情報を簡単に収集できると同時に、利用者が再生可能な電力買い取り制度の恩恵を享受するために、スマートメーターを本格展開することは重要な一歩です。ただし、スマートメーターの設計には標準が存在せず、設計が異なると電力供給方式も異なります。本稿は、スマートメーターの電源設計者が直面するいくつかの課題について考察し、ソリューションを紹介します。

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電源設計

 電源ボードはACラインからの入力を12Vまたは24Vなどの公称DC電圧に変換します。通常、この出力で要求されるのは緩やかな安定化です。これはDC電源電圧が、個別ボード回路付近にあるPOL(Point of Load)コンバータを使用して、さらに5V、3.3V、2.5V、1.8Vなどの電圧に変換されるためです。通常、80Vから480Vや時には560Vまでの広い入力電圧範囲が規定されており、電源ボードは単相または三相ACラインから安全に動作することができます。最後に、入力は最大8kVのサージとESD に耐える必要があります。

 最近の米国におけるスマートメーター開発プロジェクトの一環として、図 2に示すようなフライバック・コンバータ・トポロジを使用して、広い入力電圧範囲に対応するという設計を行いました。


図2:フライバック・トポロジによる簡潔なAC/DC電力変換

 その結果として得られた設計は、最大520VACの入力電圧に耐えることができ、PWMコントローラへの光学的に絶縁されたフィードバック・ループを有します。このコントローラは外部MOSFETと共に使用され、最適化設計を実現するために高い柔軟性を備えています。簡略化フライバック・コンバータ・トポロジの使用に伴う1つの課題は、MOSFETに加わる全ストレスがMOSFET電圧とライン電圧の合計に等しいことです。従って、MOSFETはこれら両電圧のピーク値の合計に耐える値で規定する必要があります。これを行う方法の1つとして、電圧定格が非常に高い1個のMOSFETを使用する方法がありますが、この場合はサイズとコストが増える可能性があります。より定格の低いMOSFETを2個直列に接続して使用すると、より小型で低コストのソリューションを実現できる可能性があります。このコントローラICは、整流ACライン入力から動作するように設計されており、入力側に最小限の外部フィルタ部品しか必要ないため、メーターの総部品購入コストを削減できます。


図3:集積型コントローラとMOSFETを備えたトランスなしコンバータ

 図3に示す6Wのオフライン・バイアス電源のような非絶縁型トポロジを使用する場合、トランス損失をなくして効率を向上させることだけでなく、設計を簡素化し、コストを削減して、サイズを縮小することもできます。図示したコンバータは、スマートメーター・アプリケーション用に最適化されており、700V MOSFETを内蔵したモノリシック・スイッチャを使用して構築されています。このコンバータは90V〜300V ACまたは100V〜450V DCの入力電圧に耐えることができ、5Vから36V以上の出力電圧を生成するように構成できます。1mHのインダクタと10µFのコンデンサで入力フィルタを形成し、コントローラをACライン上のサージやノイズから保護します。

 なお、PLCベースのメーターを開発している設計者にとっては、PLCチャネルの9kHz〜148.5kHzの範囲が、AC/DCスイッチング電源の標準動作周波数100kHz〜150kHzに類似していることを認識することが重要です。従って、スイッチング・ノイズがメーターの通信機能に干渉しないよう注意する必要があります。

まとめ

 世界でエネルギー不足の傾向が強まり、自然資源の需要が増大する状況で、スマート・グリッドは重要な課題を解決することを約束します。スマートメーターはこの構想の中心的な位置を占め、電力会社の送電網を大幅に高度化する役割を果たします。スマート・グリッドの潜在能力を最大限に発揮するには、スマートメーターが双方向通信、適切なセキュリティ、高精度の計測を実現することに加え、堅牢性が高いこと、またグリッドに課す追加の消費電力が受け入れ不能なほど大きくなる事態を防止するために、エネルギー効率が極めて高いことが求められます。

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