Eバンド周波数に対応、ADIの2.8Gサンプル/秒 D-Aコンバータ:ADI AD9136/5
アナログ・デバイセズ(ADI)は、サンプルレートが最大2.8Gサンプル/秒のデュアル16ビットD-Aコンバータ「AD9136」とデュアル11ビットD-Aコンバータ「AD9135」を発表した。Eバンド(71〜76GHzおよび81〜86GHz)周波数を用いるテレコム機器などの用途に向ける。
アナログ・デバイセズ(ADI)は2014年10月、サンプルレートが最大2.8Gサンプル/秒のデュアル16ビットD-Aコンバータ「AD9136」とデュアル11ビットD-Aコンバータ「AD9135」を発表した。Eバンド(71〜76GHzおよび81〜86GHz)周波数を用いるテレコム機器などの用途に向ける。
AD9136/5は、フレキシブルな8レーンの10.6Gビット/秒 JESD204Bインタフェースで、D-Aコンバータあたり最大2.1Gサンプル/秒の複素数データの入力データレートに対応することができる。しかも、スプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR)は−80dBcを達成している。ノイズ性能も−163dBm/Hzを実現しており、ワイドバンド信号を高い品質で合成することが可能となった。これらの特性により、より高速で信号品質の高いデータ転送が行えるという。AD9136/5は、競合製品に比べて、最大70%も広い信号帯域幅を実現することができる。
AD9136/5は、フル動作時の消費電力が1.4Wと極めて小さい。しかも、低ノイズのPLL回路ブロックを集積したことで、システム設計を簡素化することができ、部材コストの節減も可能とした。また、インターポレーションフィルタを内蔵しており、インターポレーションファクタ1/2/4/8を選択することができる。ADI製アナログクワドラチャモジュレータ「ADRF672x」とはシームレスに接続できるなど、ポイントツーポイント無線システムの回路設計に最適化された仕様となっている。
米国における販売価格は、パッケージが88端子LFCSPの「AD9136BCPZ」が60米ドル、「AD9135BCPZ」が51米ドルとなっている。この他、評価ボードやメザニンカードなども用意している。
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