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ファンより先回り!――ユニット電源の修理(2)Wired, Weird(1/3 ページ)

EWS300電源の修理の続きを報告する。故障原因を突き止めたものの、顧客仕様のDCファンが手に入れられず、結局、修理が完了しなかった。今回は、標準品のDCファンとアタマを使って、何とか修理を終えようと思う。

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 今回はEWS300電源の修理の続きを報告する。

【前回記事:ファンに振り回された!?――ユニット電源の修理(1)

 前回の報告で電源の故障原因がDCファンにあり、DCファンが正常に回転していないと5V電圧が出力されなくなることがわかった。修理の依頼元で修理品に実装されていたDCファンの型番をメーカーへ注文したが、この型番のDCファンは顧客仕様の専用品ということで入手できなかった。このため同じメーカーの標準品のDCファンでロックセンサー付きのものを入手し交換した。しかし、交換したDCファンをつけた電源に通電したが、ファンは回転するがDC5Vが出力されないと依頼元から連絡があった。

DCファンが手に入らない

 修理品の電源を再度引き取って確認したら、確かにファンは回転するが5Vが出力しない。交換したDCファンのオン電圧を確認したら、回転時に0.3V程度の電圧だった。ファンの回転センサーのドライブ能力は十分だ。再確認のためファンのコネクタのセンサー信号と0Vを短絡して通電したら、5Vが出力された。DCファンが回転したまま短絡を外しても5V出力は正常に出力された。

 この結果からファンの回転信号は過熱検知信号と同等の扱いでいったんアラームが検知されるとラッチされて電圧出力がシャットダウンされ、電源を切って再投入するとアラームのラッチがリセットされるように動作すると考えられた。

 標準品のロックセンサー付きのDCファンではなぜ5Vが正常に出力されないのだろうか? それはファンのセンサー出力がオンする時間が遅いため、ファンアラームを早く感知して、ラッチしてしまうと考えられた。恐らく顧客仕様の専用ファンでは、アラームを感知する前にファンのセンサー出力が正常になるような仕様になっていると思われた。

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