複数の独立閉ループチャンネルを内蔵したPICマイコン:Microchip PIC16(L)F1769ファミリ
Microchip Technologyは、最大2つの独立した複数の閉ループ制御チャンネルとシステム管理機能を備えた、8ビットPICマイコンファミリ「PIC16(L)F1769」を発表した。
Microchip Technologyは2015年2月、独立した複数の閉ループ制御チャンネルとシステム管理機能を備えた、8ビットPICマイクロコントローラ(MCU)ファミリ「PIC16(L)F1769」を発表した。各種電源、バッテリ管理、LED照明、自動車の車室内外の照明、汎用アプリケーションなどの用途に向ける。
最大2つの独立した閉ループチャンネル
PIC16(L)F1769ファミリは、PIC MCUでは初めて、最大2つの独立した閉ループチャンネルを内蔵した。スロープとランプ補償を自動化するプログラマブル・ランプ・ジェネレータ(PRG)により可能にしたもので、複数の独立した電源チャンネルでシステムの負荷変動があっても、CPUの介在なしにナノ秒単位で応答できる。これにより、レイテンシを抑えながら、部品点数を削減し、システム効率を向上できるという。
電源用モジュールには、3ステート・オペアンプ、10ビットA-Dコンバータ、5/10ビットD-Aコンバータ、10/16ビットPWM、高速コンパレータに加え、2つの100mA大電流I/Oを含むインテリジェント・アナログとデジタル・モジュールを内蔵した。他に、データ信号モジュレータ(DSM)、オペアンプ、ハードウェア・ベースのLED調光制御機能も備えた。これらのモジュールを組み合わせることで、LED調光エンジンをスイッチング電源と同期させ、LED電流のオーバーシュートとそれに伴うLEDの劣化を防ぐことができる。
さらに、構成可能なロジックセル、相補出力ジェネレータ、ゼロクロス検出などのコアから独立した周辺モジュール(CIP)も内蔵している。これらのCIPは、初期設定後はCPUによるコード実行/管理なしに動作を維持してタスク処理できるため、複雑な制御系を簡単に実装できる。
パッケージは14〜20ピンのPDIP/SOIC/SSOP/TSSOP/QFNで提供し、EUSART、I2C/SPI、XLP(eXtreme Low Power)テクノロジにも対応するという。
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