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2つのピエゾ素子を駆動できる昇圧電源内蔵HブリッジドライバIC新日本無線 NJW4814

新日本無線は、モバイル機器搭載カメラのズーム機能や手振れ補正機能用アクチュエータなどに使用されるピエゾ素子の駆動用途向けに、昇圧電源回路と2チャンネルのHブリッジドライバを一体化したIC「NJW4814」の量産を開始した。

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 新日本無線は2015年3月、モバイル機器搭載カメラのズーム機能や手振れ補正機能用アクチュエータなどに使用されるピエゾ素子の駆動用途向けに、昇圧電源回路と2チャンネルのHブリッジドライバを一体化したIC「NJW4814」の量産を開始した。サンプル価格は、200円となっている。

 デジタルカメラやスマートフォンなどに搭載されるカメラのズーム/オートフォーカス機能や手振れ補正機能のアクチュエータ/トランスデューサは、より小型、薄型化を狙いボイスコイルモータやステッピングモータからピエゾ素子への置き換えが進みつつある。

 ただ、ピエゾ素子は、リチウムイオン電池やUSB給電などの5V電源で駆動する場合、昇圧電源が必要で、駆動用のHブリッジドライバICとは別に昇圧電源ICを必要とするケースが多かった。

 新日本無線では2013年に、ピエゾ駆動用の電源回路とデュアルハーフブリッジブリッジドライバを一体化したIC「NJW4813」を製品化。このほど量産を開始した新製品NJW4814は、1つのICで2つのピエゾ素子を駆動できるICとしてHブリッジドライバを2チャンネル(MOSFETを8個)搭載した。


「NJW4814」製品化の狙い (クリックで拡大) 出典:新日本無線

BCDプロセス採用、I/Oも低電圧対応に


「NJW4814」の外観 (クリックで拡大)

 NJW4814は新たに、ピエゾ素子の高速駆動ニーズに対応するため、Hブリッジドライバ部の最大入力周波数を300kHzまで高速化させた。高速化による消費電力の増大を抑えるため、BCDプロセスによるD-MOS構造を採用し低オン抵抗化を図り、高速動作時でも低消費電力動作を実現したという。

 昇圧レギュレータ回路部についても、待機時に出力電圧を設定する無効電流が流れる現象を防ぐため、電流経路を遮断する機能を搭載し、待機時消費電力の低減を図った。

 またホストとなるSoCの低電圧駆動化に対応し、I/O駆動電圧を最小1.0Vまで低電圧化し、1.8VのI/Oなどでもレベルシフトの必要がなく制御できる。

 昇圧電源回路部の入力電圧範囲は2.7〜5.5Vで、出力電圧は最大40V。スイッチング周波数は300kHzから1MHzとなっている。


「NJW4814」のブロック図と、主な特長 (クリックで拡大) 出典:新日本無線

 パッケージは、4mm角サイズのEQFN24-LEを採用している。

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