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マウスで血液酸素濃度を測定!? パルスオキシメーターの応用範囲を広げるセンサー新日本無線 NJL5501R

新日本無線は、血液酸素濃度を測るパルスオキシメーターや脈拍計などに向けて反射型のフォトリフレクタを製品化した。従来に比べ「大幅に測定スタイルを広げる可能性のあるデバイス」(同社)とし、医療機器以外にもスポーツ器具などの用途への提案を実施していく。

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 新日本無線は2013年4月25日、血液中の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターや脈拍計などに向けて反射型フォトリフレクタ「NJU5501R」を製品化したと発表した。指など測定対象を挟む形で、LEDと受光素子を配置した従来主流の透過型フォトリフレクタではなく、測定対象物に対し同一側面にLEDと受光素子を配置する反射型を実現した。「反射型のパルスオキシメーター向けフォトリフレクタは、おそらく世界初。反射型であれば、指以外の体の部位で測定できる他、測定器の形状も制限がなくなるため、従来にないパルスオキシメーターのアプリケーションが生まれる可能性がある」(同社)。


透過式フォトリフレクタと反射式フォトリフレクタの違いを示したイメージ図。反射式であれば指以外で測定することも可能だという。 出典:新日本無線

 パルスオキシメーターは、血液にどれぐらいの酸素を含んでいるかを測定する装置。測定の仕組みは、「近赤外光」と「赤色光」の2種類の光を血液に照射し、ヘモグロビンの酸素結合有無により変化する光の吸収率の違いから酸素濃度を割り出す。これまでのパルスオキシメーターの多くは、指を2つのLEDと受光素子で挟み込み光の吸収率の違いを検知する透過型フォトリフレクタを用いる場合がほとんどだったという。そのため、測定時の圧迫感や血流を阻害するなどの課題があった。乳幼児などの小さな指での測定は、成人向けの装置では行えないという制約もあった。

 新日本無線は、2つのLEDと受光素子を同じ側面に配置し、血液からの光の反射で酸素濃度を検知できる反射型フォトリフレクタを考案。一部の医療用パルスオキシメーターに配布したサンプル品での評価などを通じ、実用化のめどがたったことなどから、今回、製品化に至った。

 反射型では、指以外にも手首など「皮膚表面近くに血管が通っている部位であれば測定できる」という。加えて、製品化した反射型フォトリフレクタは、従来の透過型の受光素子チップと同等以下という小型サイズ(1.9×2.6×0.8mm)を実現し「既存の機器に追加の機能として搭載することも可能。例えば、マウスのボタン部分に新製品を組み込んで『操作しながら血液濃度が測定できるマウス』といった応用も可能かもしれない」という。価格も、従来方式に比べ「デバイスレベル、システムレベルで低減できる」とする。

 パルスオキシメーターは、これまで測定の制約が多く、高価だったこともあり、医療機関以外での利用は、高山病の程度を測るために登山家らが一部利用していた程度に限られていたという。新日本無線では「医療機関向け装置だけでなく、家庭向けの簡易パルスオキシメーターや、血液酸素濃度/脈拍測定機能付きスポーツ器具なども実現できる可能性のあるデバイスであり、幅広く提案していきたい」としている。

 なお、新製品は5月から月産5万個規模で生産を行う予定。サンプル価格は300円となっている。

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