マイコンの選び方:Q&Aで学ぶマイコン講座(13)(1/4 ページ)
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「マイコンの選び方」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、初級者から多く寄せられる質問です。
マイコンを使おうと考えていますが、何を基準に、どんなマイコンを選べばいいのでしょうか?カタログやマニュアルではどの項目をチェックすれば良いでしょうか?
マイコンを選ぶ場合には仕様(スペック)をチェックしなければなりません。図1にSTマイクロエレクトロニクスのSTM32F103のデータシートの表紙に記載されている仕様を示します。
【1】CPUの処理能力
演算速度が何MHzか?、演算桁数が何ビットか?など
【2】メモリの大きさと種類
ROMのサイズと種類(Mask、Flash、EEPROM、EPROMなど)、RAMのサイズなど
【3】電気的特性
動作電圧と消費電流
【4】内蔵されている周辺機能
タイマ(汎用、時計用、PWM出力など)、通信機能(USART、SPI、I2C、USBなど)、特殊機能(LAN、暗号化機構、LCD制御・駆動、カメラ用インタフェースなど)、アナログ回路(A-Dコンバータ、D-Aコンバータなど)など
【5】形態
パッケージのタイプ(QFP、BGA、QFNなど)、ピン数(20ピン、32ピン、64ピン、100ピンなど)
最も大切なのは【1】で、どのくらいの演算能力が必要なのかを明確にすることです。【1】が決まるとマイコンの製品シリーズが絞られ、そのシリーズの中で【2】〜【6】を選択することになります。【2】はプログラムとデータ量、【3】は電源に依存します。【4】は製品の用途、【5】は製品の形態によって決まります。【6】は開発しようとしている製品のコストから総合的に判断されます。マイコンの価格は【1】〜【5】の内容で大きく変わりますので、最適な仕様で最適な価格を見極める必要があります。
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