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モーター技術者の登竜門、高効率・長寿命のブラシレスDCモーターを理解しようめざせ高効率! モーター駆動入門講座(2)(4/4 ページ)

前回はモーターが回転する原理、モーターをどうやって回転させれば高効率化を実現できるかついて基本的知識を紹介した。2回目となる今回は、モーターの進化と種類に始まり、モーターを扱う技術者であれば避けては通れない“高効率・長寿命を実現できるブラシレスDCモーターの高効率駆動”に論点を当てる。

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まとめ

 このように、ブラシレスDCモーターは、ホール素子を使用して、回転子(磁石)の位置を検知して、最適なタイミングで、最適なコイル相を駆動することで、高効率、高回転可能、長寿命の駆動を可能にする。では最後に、実際のコイル駆動タイミングと回転子(磁石)の位置を確認してみよう(図5)。


図5 コイル駆動タイミングと回転子(磁石)の位置関係 (クリックで拡大)

 コイルから発生する合成磁界と磁石による磁界が、直交する位置で駆動していることが分かるだろう。

 モータードライバICの真理値表には、よくホール素子出力と出力ロジックの関係が書かれている。これはホール素子出力が出力タイミングを決めていると早合点しやすいが、ここまでの内容を理解すれば、「誘起電圧が大きくなる位置で駆動する」という目的のために、駆動タイミング、コイル相を決定し、出力ロジックが決定されていることが分かるだろう。

 また、「誘起電圧が大きくなる位置で駆動する」と、第1回に掲載した図7(図6として再掲)の30°〜90°の位置を駆動しながら効率の良いところだけを使っていることも理解してほしい。


図6 コイル磁界と磁石磁界の角度差による発生トルク第1回に図7として掲載したもの)

めざせ高効率! モーター駆動入門講座【第3回】:DCモーターの性能線図を理解して高効率駆動について考えてみよう


筆者 Profile

ローム LSI商品開発本部 アプリケーションエンジニア部
吉冨 哲也

 前職で、数十年にわたりモータドライバの回路設計、マーケティングに従事。ブラシ付きモータドライバ、ブラシレスDCモータドライバ、ステッピングモータドライバのベストセラー(スタンダード)品を開発する。現在は、ロームにて電源を中心にアプリケーションエンジニアを担当している。


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