USB Type-C PD統合型コントローラの量産出荷を開始:日本TI TPS65982
日本テキサス・インスツルメンツの「TPS65982」は、USB Type-CとUSB Power Delivery(PD)機能を統合したコントローラである。最大100Wの電力供給や数種類の「Alternate Mode」によるデータ伝送が可能となる。
日本テキサス・インスツルメンツは2015年7月、USB Type-CとUSB Power Delivery(PD)機能を統合したコントローラ「TPS65982」の量産出荷を始めると発表した。シングルまたはデュアルロールポートとして動作する他、多様なホスト製品や端末機器の電源実装が可能となる。
TPS65982は、最大100Wの電源供給と数種類の「Alternate Mode」によるデータ伝送が可能である。特に、5.4Gビット/秒USB Type-Cクロスポイントスイッチ「HD3SS460」と組み合わせて用いることで、ビデオ信号の伝送など、より高いデータレートが要求される用途にも対応することが可能となる。HD3SS460は、スタンバイ時の消費電流が40μWと極めて小さく、電池の使用時間をより長くすることができる。
TPS65982とは別に、電力供給が最大15Wで済むUSB Type-Cシステム向けに、「TUSB320」ファミリも用意した。USB Type-C CC(コンフィギュレーション・チャネル)ロジックとポート制御機能を備えている。USB2.0やUSB3.1、VCONNに対応する。シャットダウン時の消費電力は8mWと小さい。
TPS65982は、外形寸法が6×6mmのMicroStar BGAパッケージで供給する。1000個購入時の参考単価は4.99米ドルである。HD3SS460は3.5×5.5mmのQFNパッケージ品で同1.55米ドル、TUSB320は1.6×1.6mmのQFNパッケージ品で同0.95米ドルとなっている。
この他、USB Type-Cシステムの設計を支援する評価モジュールとして「TPS65982-EVM」(参考価格は29米ドル)や「HD3SS460EVM-SRC」(同149米ドル)、「TUSB320EVM」(同99米ドル)などを用意している。
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