HyperFlash製品ファミリに256Mビット品を追加:サイプレス S26KL256S
サイプレス セミコンダクタは、HyperBusインタフェースに対応したNOR型フラッシュメモリ「HyperFlash」製品ファミリとして、3.0V版の256Mビット品「S26KL256S」を新たに追加し、サンプル出荷を始めた。
サイプレス セミコンダクタは2015年8月、HyperBusインタフェースに対応したNOR型フラッシュメモリ「HyperFlash」製品ファミリとして、3.0V版の256Mビット品「S26KL256S」を新たに追加した。車載装置クラスタや産業機器、通信装置、医療機器などの用途に向ける。
HyperFlash製品ファミリは、最大周波数が166MHzで動作し、読み出し帯域幅は1.8V製品で最大333Mバイト/秒、3.0V製品で200Mバイト/秒を実現している。この性能は、Quad SPI対応メモリ品に比べて約5倍のスループットに相当するという。
また、HyperBusインタフェースは、8本のアドレス/データバス及び、差動クロック、コントローラ用チップセレクトと読み出しデータストローブ用の、合計12端子で済む。このため、パッケージは外形寸法が6×8mmと小さい、24端子BGAで供給する。専有面積が小さいためプリント配線板のコスト節減が可能となる。まずは動作温度範囲が−40〜105℃の製品を提供していくが、今後は−40〜125℃対応製品も用意していく予定である。
S26KL256Sは、すでにサンプル出荷を始めており、2015年第3四半期(7〜9月)に量産を開始する。この他、HyperFlash製品ファミリとしてすでに、3.0V版及び1.8V版の512Mビット製品もサンプル出荷を始めている。さらに、2015年第3四半期には128Mビット品のサンプル出荷を開始する予定である。
なお、HyperBusインタフェースをサポートするプロセッサとして、サイプレス製の主要なMCUに加えて、Freescale製の車載用MCUなどがある。今後は数十種類のMCUにHyperBusインタフェースが搭載される予定だという。
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