36V入力、5.4A μModule昇降圧レギュレータ:リニアテクノロジー LTM8054
リニアテクノロジーは、36V入力(最大40V)、5.4A出力のμModuleレギュレータ「LTM8054」を発売した。入力、出力電流の制限とモニター機能を備え、LED駆動、バッテリーチャージャなど、定電流動作を必要とするアプリケーションに対応できる。
リニアテクノロジーは2015年9月、36V入力(最大40V)、5.4A出力のμModule(マイクロモジュール)レギュレータ「LTM8054」を発売した。産業用制御、自動車用、太陽光発電、大電力バッテリー駆動システムなどのアプリケーションに向ける。
出力電圧の維持と安定化
LTM8054のデバイスは、インダクタ、DC-DCレギュレータ、MOSFET、サポート部品を内蔵している。デバイスが継ぎ目なく降圧と昇圧の動作間を移行するため、入力電圧と出力電圧の片方、または両方が大きく変わっても、安定した出力電圧を維持できるという。入力電源電圧は5〜36V。降圧、昇圧、昇降圧(VINがVOUTに近い時)の3モードで動作し、1.2〜36Vの出力電圧を安定化する。
また、4スイッチ昇降圧トポロジーを採用し、24V入力/12V出力(降圧)時に92%、36V入力/24V出力時に94%と効率を最大化できる。入力電流と出力電流の制限とモニター機能を搭載し、各種入力源からの負荷を分担動作する。
1本の外付け抵抗を使ってスイッチング周波数を100〜800kHz範囲で調整でき、200〜700kHzの外部クロック周波数への同期も可能だ。
パッケージは11.25×15×3.42mmの小型BGA(Ball Grid Array)で、−40〜125℃と−55〜125℃の温度範囲で動作する。1000個時の参考単価は15.95米ドルからで、同社の国内販売代理店経由で販売される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- LDO型リニアレギュレータで実現する定電流源
リニアレギュレータの電圧出力端子とグラウンド端子との間に固定抵抗を挿入すると、簡単に定電流源を構成できる。レギュレータの出力は定電圧であり、抵抗値が固定であれば、その両端を流れる電流は一定となる。今回は、負荷の高電位側にも低電位側にも定電流源を配置できる回路を紹介する。 - 並列型レギュレータで直流定電圧を生成する
直流の定電圧3Vをそれより高い電源から得るときに、実験用回路では必要な電圧の直列型レギュレータがない場合、並列型レギュレータで代用してもよい。今回は、並列レギュレータよりも出力インピーダンスを低くできる、MOSFETを紹介する。 - 静止電流180nAのIoT向け降圧レギュレータ
アナログ・デバイセズは、超低消費電力の降圧レギュレータ「ADP5301」を発表した。最大電力を長時間にわたって供給できるように設計されており、IoTアプリケーションに適している。 - 安全動作領域が広い800mAリニアレギュレータ
リニアテクノロジーは、入力電圧範囲の広い800mAリニアレギュレータ「LT3088」の販売を開始した。入力電圧範囲は1.2〜36Vで、1本の抵抗で出力電圧を0〜34.5Vの範囲に設定できる。