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シーケンサの修理(1)4級アンモニウム塩との闘いWired, Weird(2/3 ページ)

シーケンサの修理依頼があった。例のごとく、電源が壊れているようで、修理を進めていくと、コンデンサの液漏れが確認された。洗浄し、部品を取り換え、修理完了と思いきや……。今回から数回にわたり、このシーケンサ修理の様子を紹介する。

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シーケンサを分解していく

 端子台の赤の接続配線を外してシーケンサを取り出し、不具合箇所を探した。シーケンサを分解したところの写真を図3に示す。

図3
図3 分解したシーケンサ

 シーケンサはプラスドライバで簡単に分解できた。内部はCPU基板(上)、I/O基板(中)、電源基板(下)の3枚で構成されていた。電源基板の故障と思われたので、一番下にある電源基板を取り出して詳細に確認した。電源基板の部品面の写真を図4に示す。

図4
図4 電源基板の写真[部品面]

 シーケンサの電源基板の中央下側に電源制御ICのM51977P(三菱電機製)が使用されていた。サブ電源の波形を確認したら電圧が安定していなかった。サブ電源の電解コンデンサを交換したら出力電圧は24Vになった。しかし、軽い負荷を付けただけで出力電圧が下がった。

ハンダごてを当てると……

 サブ電源のコンデンサを交換するときに、ハンダごてを当てたところ、“あっ、これは以前も経験した!”という臭いが漂った。熱で電解液が焼けた嫌な臭い……。恐らくあの悪名高き『4級アンモニウム塩』を使った電解コンデンサに違いない。

 この電解コンデンサを使った基板は、多量の電解液が基板上に漏れているはずだ。基板の部品面を詳細に確認したら、液が流れた痕が散見された。実装された部品の劣化も懸念された。拡大写真を図5に示す。

図5
図5 基板の部品面。赤く囲んだ部分に、電解液が流れた痕が確認できる

強アルカリで部品も劣化

 基板の表面に液体が流れた痕(赤四角)が数カ所見つかった。やはりこれは電解コンデンサから漏れた液だろう。4級アンモニウム塩の電解液は強アルカリの液体なのでパターンだけでなく、液に触れた電子部品の劣化が起こる。この電解コンデンサは液漏れしており、電解コンデンサを全数交換する必要がある。二次側の電解コンデンサを外し、電解コンデンサの下を確認した。その写真を図6に示す。

図6
図6 二次側の電解コンデンサを外した基板

 図6で電解コンデンサの下に漏れた液が残っており、基板の一部が黒くなっていた。これで電解液の漏れがあったことが再確認できた。漏れた電解液を基板から取り除くしかない。

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