検索
連載

シーケンサの修理(1)4級アンモニウム塩との闘いWired, Weird(3/3 ページ)

シーケンサの修理依頼があった。例のごとく、電源が壊れているようで、修理を進めていくと、コンデンサの液漏れが確認された。洗浄し、部品を取り換え、修理完了と思いきや……。今回から数回にわたり、このシーケンサ修理の様子を紹介する。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

基板を洗浄

 まずは基板全体を水で洗浄し、基板の表面をブラシで擦って基板上の液をクリーニングし、再度、水で洗浄した。その後、布で拭いて水分を取り、ドライヤーで乾燥させ、風が通りやすい場所にかげ干しして、十二分に乾燥させた。

 その後、電解コンデンサの周囲の汚れをアルコールで拭いてクリーニングし代替の電解コンデンサを実装した。修理した電源基板をシーケンサに実装してAC100Vを通電したら、電源表示が点灯し、DC24Vが出力された。図7に示す。

図7
図7 修理を終えたシーケンサ。AC100Vを通電すると、電源表示が点灯、DC24Vが出力された

修理完了……!?

 図7でシーケンサの電源表示(緑LED)が点灯しDC端子には24.1Vの電圧が測定された。これで電源基板の修理は完了した――。

 4級アンモニウム塩の電解コンデンサが液漏れした基板に久しぶりに遭遇した。この電解液を使った機器は焼損事故が起こりやすいが、このシーケンサが20年近く動作できたのは、電解コンデンサの液漏れが少なく、電源の制御に影響がない所(図4の下側)へ漏れた液が流れたことで大きな被害にはならなかったようだ。

 しかし、シーケンサの表面の電源表示の緑のLEDの上にある赤いLEDも点灯していた。シーケンサの取り扱い説明書でこの赤い表示の意味を確認したら、「CPU異常の表示」と説明されていた――。

 電源が動作したので修理完了かと思いきや、まだ不具合が潜んでいるようだ。この続きは次回に報告する。

「Wired, Weird」連載一覧

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る