連載
不良シーケンサの修理――再び動くまでの道程:Wired, Weird(2/2 ページ)
前回、不具合を特定した“不良シーケンサ”の修理に取り掛かる。状態があまりにも悪いので、シーケンサとして使うまで修理することはできなさそうだが、修理屋の意地で、再び動くところまで頑張りたい。
コンタクトの表面も腐食か!?
「そうだ、赤LEDが点灯した理由が分かったぞ!!」
CPU基板のコネクターのコンタクト部の接触不良だ。コンタクトの表面も腐食している可能性が高い。
太目の1φで長めの10cmのリード線の表面に傷を入れ簡易な細いやすりを作って、I/O基板のコネクターの内部のクリーニングを行った。シーケンサに組み込んでAC100Vを通電したらCPU異常の表示が消えた。図3に示す。
通電表示が点灯し、CPU異常の表示が消えた。やはり漏れたリチウム電池の雰囲気ガスでI/O基板のコネクターのコンタクトの表面が腐食していたことが原因だった。正常な表示になったシーケンサの写真を図4に示す。
しかし、これまでの作業では修理は完了していない。まだまだやり残したことがある。次の動作確認は、PCにデバッガーをインストールしプログラムでシーケンサの確認を行うことだ。しかし、PCとシーケンサの接続ケーブルがない。
デバッガーは三菱電機が提供している体験版のソフトをオンラインで入手した。接続ケーブルは通販サイトで発注した。
腐食したCPU基板のシーケンサを正常に動作させる『ゴール』はまだまだ遠い。しかし、ゴールにたどり着くためのプロセスに修理の醍醐味がある。回路図があれば楽だが、見えない壁をなんとか乗り越えて、腐食したCPU基板のシーケンサの修理を完成させるつもりだ。
《次の記事を読む》
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- GUGENに挑戦! “点滅記憶回路”を使った点滅ライト
今回は、2015年末に行われた電子工作コンテスト「GUGENコンテスト2015」に出品したオリジナル回路『点滅記憶回路』を使ったLED点滅ライトを紹介する。便利な2端子回路であり、さまざまな応用が期待できる。コンテスト参加の裏話も含めて、点滅記憶回路の仕組みをみていこう。 - シーケンサの修理(1)4級アンモニウム塩との闘い
シーケンサの修理依頼があった。例のごとく、電源が壊れているようで、修理を進めていくと、コンデンサの液漏れが確認された。洗浄し、部品を取り換え、修理完了と思いきや……。今回から数回にわたり、このシーケンサ修理の様子を紹介する。 - 闇夜の心強い味方“ココライト”の作り方
今回は、周囲が暗くなると数秒に1回、優しく光るオリジナルライト“ココライト”の仕組みと作り方を紹介する。暗闇でもあると安心なこのライト。ご両親などへのプレゼントにも最適です。 - 3万円のオシロスコープを修理する
修理の仕事を始めた2012年に“3万円”というとても安い値段のオシロスコープを購入した。値段こそ安いが、かなり役に立ったオシロスコープ。しかし、試作した高電圧パルス電源を評価するときに壊れてしまった。今回はこの3万円で購入したオシロスコープの電源基板の修理を報告する。