“アナログ・プレゼンタイマー”の製作:Wired, Weird(2/3 ページ)
今回は、オリジナル回路「シリアルオシレーター」と「シリアルタイマー」を組み合わせたプレゼンタイマーの作り方を紹介しよう。トランジスタの動作を理解するためにも良い回路であり、これから電子回路を学ぶ読者にオススメだ。
実際に作ってみる
図1の回路をブレッドボードに組んでみた。図2に示す。
図2で左下にある電解コンデンサーがタイマーの計測時間を決める電解コンデンサーC1だ。47μFを実装しているが、実測では50μFだった。図2に12Vの電源を投入して動作を確認した。
電源を投入した瞬間はコンデンサーC1は緑LEDを通して充電されるので、瞬間的に緑LEDが瞬灯した。その後、図2の右下のスイッチを押すと緑のLEDは点灯した。60秒後に赤LEDが点滅を開始し、20秒後に緑と赤のLEDが消灯した。
コンデンサーC1は約50μFで80秒タイマーになった。1分タイマーではC1を40μF程度にすればいいことになる。3分と5分のタイマーのコンデンサーの値を選択し実測してみた。
3分タイマーではC1を120μFにすれば良い。124μFのコンデンサーで実測したら、2分33秒で点滅開始し、3分23秒で終了した。これでもそこそこ使えそうだ。
5分タイマーではC1を200μFにすればよい。190μFのコンデンサーで実測したら、3分40秒で点滅開始し、4分50秒で終了した。コンデンサーを合わせれば使えそうだ。
コンデンサーC1を10μF(16秒タイマー)にした時の動作を動画の図3に示す。
スターとスイッチを押すと緑LEDが点灯する。その後12秒程度で赤LEDが点滅し、16秒程度で緑LEDと赤LEDが消灯してタイマーが終了するのが分かるだろう。
このプレゼンタイマーは完全なアナログタイマーで、コンデンサーの放電時間でタイマーの値を決めており、トランジスタの動作の理解に役立つ回路と思う。また簡単に作ることができるので、読者も電子工作を楽しんでほしい。なお、PNPトランジスタは汎用の「2SA1015」を使い、FETは「2N7000」を使った。
もし、プレゼンタイマーが誤動作する場合は、トランジスタQ1のエミッタとベース間に0.1μF程度のコンデンサーを入れれば改善するだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.