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DCモーターの性能線図を理解して高効率駆動について考えてみようめざせ高効率! モーター駆動入門講座(3)(2/3 ページ)

今回は、ブラシ付きDCモーターの特長と性能線図を解説していこう。重要なポイントを押さえながら、誘起電圧の与える影響を理解し、高効率駆動のための印加電圧位相を考えよう。

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モーターのトルクと誘起電圧の関係

 なぜ起動時に最大トルクが発生し、回転数が上がるにつれてトルクは下がるのだろうか。それは、トルクがコイルに流す電流に比例し、トルク(モーターを回そうとする力)のもと、電磁力Fが以下の式で与えられるからである。

F=BLI

B:磁束密度[T]、L:導線(コイル)の長さ[m]、I:電流[A]

 ここで図2を見てほしい。横軸である回転数が上がるほど、モーターの負荷(回転を維持するのに必要な力)は大きくなり、発生するトルクは小さくなる関係にある。つまり、モーターの回転数は、発生トルクと負荷がバランスする点、つまり交点に安定する。

左=図2:モーター回転数と負荷、トルクの関係 / 右=図3:モーターのVCC電圧と誘起電圧、回転数の関係

 一方、モーターにVCCの電圧を印加し、モーターのコイル抵抗をRとした場合、起動時には以下の電流に比例したトルクが発生する。

Icoil=VCC/R

 回転数が上がっていくと、第2回で説明した誘起電圧も大きくなってくる。このため、図3に示すVCC電圧と誘起電圧波形の間の赤い部分の面積が、コイルに印加される電圧となり、発生するトルク(コイル電流に比例)は以下の式より、回転数(誘起電圧に比例)の上昇に伴い減少する。

Icoil=(VCC−VB)/R

VB:誘起電圧(回転数に比例)

 これにより、無負荷時(とはいえ、ベアリングなどのこすれによるトルクは必要)でも、誘起電圧によって残った赤い部分の面積の発生トルクで最大回転数は決定する。3000rpmを例にとれば、誘起電圧がVCC以上になり、もっともトルクに寄与するタイミング(位相)でコイル電流を流せないことが分かるだろう。つまり、回転数が上がっていき(VBが大きくなり)、コイルにかかる電圧が下がれば(VCC-VBで表される)、コイル電流は小さくなり、コイル電流に比例するトルクも下がるため、そこで無負荷とバランスしたところが最大回転数になるといえるわけだ。

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