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低消費無線規格「Thread」IPスタックの基礎IoT時代の無線規格を知る【Thread編】(2)(4/4 ページ)

IoT時代のさまざまな無線規格を紹介する本連載。前回は、ホームネットワーク向け無線規格として注目を集める「Thread」の入門編をお届けした。2回目となる今回は、Thread Groupが公開しているホワイトペーパーから概要を振り返るとともに、ThreadにおけるIPスタックの基礎を解説する。

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6LoWPAN

 全てのThreadデバイスは、RFC4944とRFC6282で定義される6LoWPANを使う。Threadネットワーク内ではヘッダ圧縮が使われ、データを送信するデバイスは、送信パケットサイズを小さくするためにできる限りのIPv6ヘッダを圧縮する。

 メッシュヘッダはメッシュ内の送信データと、リンク層で行う中継をより効率良く行うように使われる。メッシュヘッダはRFC4944で規定されるように、中継される際はホッピングごとに断片化処理を行わず、メッセージの断片化を発信元と宛先との間で行えるようになっている。Threadスタックは、いわゆるルート−オーバーの方式である。

 デバイスはDHCPv6がルーターのアドレス割り当てに使用されるので、RFC6775で規定された近隣探索は行わない。エンドデバイスとREEDは、親機であるルーターのアドレスに従うショートアドレスが割り当てられる。このショートアドレスはネットワーク内部の通信に使われるメッシュ内ULAに使われるように設定される。

ICMPとUDP

 デバイスは、RFC4443にて規定されているICMPv6(Internet Control Message Protocol v6)プロトコルをサポートする。ICMPv6 エラーメッセージやエコー要求、エコー応答もサポートされる。また、Threadスタックは、RFC768に規定されているUDP(User Datagram Protocol)をデバイス間通信としてサポートしている。


あらためて、Threadスタックの概要 (クリックで拡大) 出典:Thread Group

 ここまで、ThreadのIPスタックに関する基礎を紹介してきた。次回は、同じホワイトペーパーから「ネットワークトポロジーと形成手順の基礎」について解説する。

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