「Thread」のネットワークトポロジーと形成手順:IoT時代の無線規格を知る【Thread編】(3)(5/6 ページ)
ホームネットワーク向け無線規格として注目を集める「Thread」を解説する本連載。今回は、Threadのネットワークトポロジーとネットワーク形成手順の基礎について解説していく。
Threadネットワークへの参加
デバイスがThreadネットワークに加わるためには、参加するデバイスが行わなければならないフェーズがいくつかある。Threadネットワークでは、全ての参加プロセスはユーザーが開始するようになっている。いったん参加プロセスが完了すると、デバイスはThreadネットワークに完全に加入して、アプリケーション層の情報を他のデバイスと交換し、Threadネットワーク内外を問わず、さまざまなサービスができるようになる。
発見
参加するデバイスはまずThreadネットワークを発見し、コミッショニングのためにルーターとの接触を開始しなければならない。参加するデバイスは、全ての無線チャンネルをスキャンし、それぞれの無線チャンネルでビーコン要求をして応答を待つ。
ビーコンは、ネットワークSSIDを含むペイロードを持つ。Threadネットワークが新メンバーを受け入れる場合、参加を許可するという意味のパーミットジョイニングであることがビーコンで表明される。デバイスがThreadネットワークを発見したのち、MLEメッセージを使い、隣接ルーターとの交信を通じてコミッショニングを行うことができる。
既にコミッショニング情報を入手したデバイスは、直接Threadネットワークにアタッチするための十分な情報を持つため、発見を必要としない。
コミッショニング
Threadは2つのコミッショニング手段を用意
- アウトオブバンド(Thread以外の通信方式)手段で、直接コミッショニング情報をデバイスに構成する。コミッショニング情報により、デバイスは適切なThreadネットワークを見つけ次第、すぐに参加することができる。
- 参加デバイスとスマートフォンやタブレット、Webブラウザ上のアプリケーションとの間にコミッショニングセッションを確立する。コミッショニングセッションにより、コミッショニング情報が安全に参加デバイスに通達され、セッション完了後、適切なThreadネットワークにアタッチすることができるようになる。
アタッチ
コミッショニング情報を持つ参加デバイスは、親機ルーターと接触し、親機ルーターを通じてMLEリンク構成メッセージを交換することでThreadネットワークにアタッチする。デバイスは、エンドデバイスか、REEDとしてThreadネットワークにアタッチし、親機ルーターから16ビットのショートアドレスが割り当てられる。
REEDとしてアタッチした後、REEDはリーダーからルーターアドレスを受けているルーターになるよう要求を出すことができる。
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