適合誤差0.1℃の10チャンネルデジタル温度測定IC:リニアテクノロジー LTC2986
リニアテクノロジーは、センサーを適合誤差0.1℃に線形化するデジタル温度測定IC「LTC2986」を発売した。分解能は0.001℃となっており、RTD、熱電対、サーミスター、外部ダイオードの任意の組み合わせを直接デジタル化できる。1000個購入時の参考単価は、16.56米ドルから。
RTD、サーミスターなどを直接デジタル化
リニアテクノロジーは2016年9月、センサーを適合誤差0.1℃に線形化する、10チャンネルの高性能デジタル温度測定IC「LTC2986」を発売した。7×7mmの48ピンLQFPパッケージで供給され、1000個購入時の参考単価は16.56米ドルからとなる。
分解能は0.001℃で、RTD、熱電対、サーミスター、外部ダイオードの任意の組み合わせを直接デジタル化できる。同社のデジタル温度測定IC「LTC2983」「LTC2984」とはピン互換で、アナログ入力数は従来の20チャンネルから10チャンネルに低減。新たに3つの動作モードを追加し、アナログ出力付き給電温度センサーや電圧出力センサーなど、温度に関係しないセンサー間で共有する外部過電圧保護抵抗に適切に対応するという。
アナログフロントエンド部は、バッファ付きADCと、各センサーに必要な励起回路/制御回路を搭載。熱電対からの絶対レベルがマイクロボルトの信号を測定するほか、RTDやサーミスターからの抵抗を比率測定し、線形化して摂氏温度、華氏温度で出力する。
また、最大10チャンネルのアナログ入力により、熱電対最大9個、RTD4個、サーミスター4個、ダイオード10個に対応する。熱電対はB、E、J、K、N、S、R、T型に対応、サーミスターの抵抗値は2.25kΩ〜30kΩ、RTDは2〜4線RTD構成に設定できる。最大15ppm/℃のレファレンスを内蔵し、3つの24ビットΔΣADCで信号を同時にデジタル化する。
動作温度範囲は、コマーシャルバージョンが0〜+70℃、インダストリアルバージョンが−40〜+85℃、車載バージョンが−40〜+125℃。動作電圧は2.85〜5.25Vである。
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