血糖値計向け16ビットLCDマイコンの新製品:ルネサス RL78/L1Aグループ
ルネサス エレクトロニクスは2016年10月、血糖値計向け16ビットLCDマイコン「RL78/L1A」グループ6品種の量産出荷を開始した。同マイコンを活用することで、従来は個別に測定が必要だった血糖値やヘモグロビン値を、1つの機器で測定できるようになるという。
血糖値やヘモグロビン値を1つの機器で
ルネサス エレクトロニクスは2016年10月、血糖値計向け16ビットLCDマイコン「RL78/L1A」グループ6品種の量産出荷を開始した。同マイコンにより、従来は個別に測定が必要だった血糖値やヘモグロビン値を1つの機器で測定できるようになる。最終製品は、持ち運びしやすい小型、軽量で電池交換の手間を減らした機器になるという。
新製品は、パッケージの端子数が80ピンおよび100ピン、内蔵フラッシュメモリ容量が48Kバイト〜128Kバイトの計6品種を展開する。サンプルの単価は、端子数100ピンでメモリ容量128Kバイトの製品が、300円(税別)となっている。
RL78/L1Aグループは、アナログスイッチをアナログフロントエンド内部に内蔵する。測定対象が切り替わった場合でも、内蔵D-Aコンバーターと組み合わせることで外部回路を含めて測定回路をソフトウェアで切り替えられるため、ヘモグロビンなどの血中成分と血糖値を交互に測定するヘルスケア機器を開発することができる。
レファレンスソフトウェアの提供により、D-Aコンバーター、オペアンプ、A-Dコンバーター、基準電圧回路など、内蔵アナログフロントエンド機能を使った精度向上が容易になり、開発するシステムのアナログ精度が向上する。アナログフロントエンドは、回路上にさまざまな工夫が加えられているため、動作電圧を大幅に低くすることができ、システムの電池寿命ぎりぎりまで測定経路を正常に動作させるとした。
同社では、製品機能を即時評価できるプロモーションボードも同時に発売。2016年末には、血糖値計での使用を想定したレファレンスソフトウェアについて、アプリケーションノートと、サンプルプログラムをリリースする予定だ。
糖尿病により引き起こされる合併症の進行をコントロールするため、持ち運びできる小型血糖値計は現在、幅広く普及している。しかし、1つのシステムで複数項目を測定するため、システム構成が複雑になり、測定精度の向上や電池の長時間動作が課題となっている。RL78/L1Aグループは、こうした課題を解決するために開発された。
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