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Threadにおけるボーダールーターの役割(前編)IoT時代の無線規格を知る【Thread編】(8)(4/5 ページ)

ホームネットワーク向け無線規格として注目を集める「Thread」を解説する本連載。今回からは、Threadネットワーク内のノードと外部ネットワークにある他のデバイスとの接続を行う役割を持つ「ボーダールーター」について前後編に分けて紹介する。

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ネットワークデータの通知と波及

 Thread内部のネットワークでは、IPv6の近隣探索プロトコルは使用されない。グローバルプレフィックスと補助ULAプレフィックスでは、ルーターアドバタイズメッセージやステートレスオートコンフィギュレーションを使用しており、割り当てられたアドレスによる配布は行わない。代わりに、Threadリーダーからのネットワークデータメッセージで、プレフィックスはアドバタイズされる。

 ボーダールーターとDHCPサーバからリーダーへのネットワークデータの通知には、TMF(Thread Management Framework)プロトコルが使われる。TMFは、RFC7252に記述されたCoAP(Constrained Application Protocol)をベースとする。

 Threadネットワーク内部のノードから、外部ネットワークを宛先とするパケットが転送されていく際、通常のIPメッシュルーティングがThreadネットワーク内で使われ、ネットワークデータにて通知されたプレフィックスを使用して外部とのルートを提供するボーダールーターに送られる。

 エンドデバイスとなる子機は、親機からネットワークデータを受け取るデバイスもある。機能を限定した子機(スリープノードなど)は、より安定したネットワークデータの一部しか保持せず、寿命が短い一時的なデータは受け取らないと選択できる。

 Threadネットワークデータの定常的なインスタンスと一時的なインスタンスは、リーダーによりバージョンが管理され、エンドノードへのアップデートに親機が活用する。

ネットワークデータに含まれる情報

 Threadネットワークデータは、以下の情報を含む。

  • メッシュ上のプレフィックスセット:Threadネットワークのノードが使用可能なIPv6プレフィックスとそれを提供するボーダールーターに加えて、DHCPv6もしくはSLAACを使ったアドレスの割り当ての設定情報。
  • 外部ルートセット:Threadネットワーク内から外部の宛先へ、利用可能な外部ネットワークへのパケットルート情報。
  • 6LoWPANコンテキストIDセット:6LoWPANのグローバルアドレスサイズを圧縮するためのコンテキスト情報。
  • サーバセット:Threadノードに対する標準もしくはベンダー固有のネットワークサービスを提供するサーバ情報。

 ネットワーク内部のノードから外部の宛先へパケットを転送する際、通常のIPメッシュルーティングが使われ、Threadネットワークデータで通知されたプレフィックスへの外部ルートを提供する最も近いボーダールーターが使われる。図4に、ThreadネットワークデータとDHCPv6を使用したGUA割り当ての波及と通知の様子を示す。


図4:ThreadネットワークデータとDHCPv6によるGUA割り当ての通知と波及の様子 (クリックで拡大)

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