技能検定3級シーケンス制御作業にチャレンジ【後編】:Wired, Weird(3/3 ページ)
前回に引き続き、「国家技能検定3級(シーケンス制御作業)」の受験対策指導の模様をお伝えする。今回は、演習問題を使って具体的にプログラムの作り方を紹介していく。
I/O接続の確認は入力と出力を別々に
シーケンサーの技能検定では試験問題とI/O割付が試験の直前に指示されるため、丸暗記では合格は難しい。プログラムの作り方をしっかり理解することで、試験場でプログラムを作るときに思い出しやすいだろう。なお、プログラムを入力するときは数行ずつ入力しながらコンパイルした方が楽だ。数十行をまとめて入力すると、コンパイルミスがあっても間違えた位置が分かりにくく、修正に時間がかかってしまう。
技能検定では出された問題をしっかり読み、指示されたI/O割付でシーケンサーと試験盤を間違いなく配線する必要がある。接続したI/Oの接続確認を行うことも重要だ。接続が間違えていると、もちろんプログラム通りには動作しない。
I/O接続の確認は入力と出力を別々に行う。シーケンサーには必ず入出力状態を表示するLEDが付いており、このLEDを利用する。シーケンサーの端子配列例を図2に示す。
図2のシーケンサーの右側に入力と出力の番号のLEDがあり、オン時に点灯する。試験盤のスイッチを押すと、それが接続されたシーケンサーの入力のLEDが点灯する。また、シーケンサーの各出力端子をCOM端子とジャンパー線で接続して、試験盤の動作や表示も確認できる。このジャンパー線はワニ口クリップを両端につけたケーブルが最適だ。図3に示す。
図3のようにCOMとX7を接続すると、『7』のLEDが点灯する。この確認作業でI/O割付通りに正しく接続されていることが確認できる。この確認作業は必ず接続後に実施してほしい。そうすれば、安心してプログラムの作成に集中できるだろう。
試験会場で戸惑わないためには、やはり事前準備!
試験盤を受験時に初めて見た場合は戸惑ってしまうことがあると思う。試験盤も事前に理解した方がよいだろう。試験盤と類似の練習盤と接続ケーブルも販売されている。Webで『シーケンサー 試験盤』と検索すればすぐに見つかるはずだ。
なお、試験盤のハードウェアは毎試験、同じものが使われている。そして、試験問題もその内容が大きく変わることはない。つまり過去の問題を繰り返し解いて、確認しておくことが重要だ。もちろん試験盤の回路図も過去問に記載されている。至極当たり前ではあるが、試験盤の回路とシーケンサーの接続やプログラムの作り方をしっかり理解した上で、過去問をもとにプログラムを作成し、デバッグを行うという練習を繰り返せば、合格への近道になる。使用するラダー回路は自己保持回路、AND回路、OR回路、点滅回路、タイマー・カウンター回路など基本的な回路だけで十分だ。
しかし、試験時にこれらの作業を限られた時間内に完了させるには、初心者にとってはかなり難しいことだ。このため日頃の練習でシーケンサーに慣れ親しみ、PCでプログラムの入力とデバッグ作業を行って、この作業に慣れることがなにより重要だ。日頃の練習が十分であれば、試験時に多少の困難があっても、それを乗り越えて合格できるだろう。挑戦者の健闘を祈る。
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