スタンバイ電流0.3μAのパワーマネジメントIC:マキシム MAX77650/MAX77651
Maxim Integrated Products(マキシム インテグレーテッド プロダクツ)は、リチウムイオンバッテリー向けの小型パワーマネジメントIC「MAX77650」と「MAX77651」を発表した。スタンバイ電流を0.3μAに抑えている。
総ソリューションサイズ19.2mm2
Maxim Integrated Products(マキシム インテグレーテッド プロダクツ)は2017年7月、リチウムイオンバッテリー向けの小型パワーマネジメントIC(PMIC)「MAX77650」と「MAX77651」を発表した。現在出荷中で、1000個購入時の単価は1.99米ドル。評価キット「MAX77650EVKIT#」「MAX77651EVKIT#」も提供しており、単価は193.63米ドルとなる。
両製品は、リチウムイオン用に最適化されたチャージャー、単一インダクターマルチ出力(SIMO)バックブーストレギュレーター、3チャネル電流シンクドライバー、電力監視用のアナログマルチプレクサ出力などを集積している。SIMOバックブーストレギュレーターは、単一のインダクターから個別に設定可能な3つの電力レールを提供。これにより部品数を削減し、ソリューションサイズを最小限に抑えることができる。
動作電流は5.6μAで、スタンバイ電流は0.3μA。150mAのLDOにより、オーディオやノイズに敏感なアプリケーションにリップル除去を提供する。急速充電電流は7.5〜300mA、バッテリー安定化電圧は3.6〜4.6V、完了電流は0.375〜45mAの範囲で設定が可能だ。
パッケージは2.75×2.15×0.7mmのWLPを採用し、総ソリューションサイズを19.2mm2と既存の部品の組み合わせの2分の1に抑えた。同社では、Bluetoothヘッドフォンやアクティビティーモニター、スマートウォッチなど、サイズに制約のある機器で活用できるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 効率94%の6チャンネルパワーマネジメントIC
ダイアログ・セミコンダクターは、低RDSonのFETにより、最大94%の効率を達成したパワーマネジメントIC「DA6102」を発表した。バックレギュレーターやバックブーストレギュレーターなど、6つのチャンネルを搭載している。 - DDR4 NVDIMM向けの高集積パワーマネジメントIC
IDTは2017年1月、DDR4 NVDIMMアプリケーション向けの高集積パワーマネジメントIC「P8800」を発表した。従来のカスタムディスクリート実装の機能を1チップに集積している。 - 1.1V出力時の効率91%のプログラマブルPMIC
インターシルは、GPU、FPGA、システム電源向けに、高効率のプログラマブルパワーマネジメントIC(PMIC)「ISL91211」を発表した。自動ダイオードエミュレーションモードにより、1.1Vの出力電圧時に91%の効率を可能にした。 - パワー半導体の基礎知識
半導体分野の中でも、地味な存在と思われがちなパワー半導体。「パワー半導体って聞いたことはあるけど、よく分からない」という方も多いはず。でも、実は世の中の省エネ化の鍵を握る重要なデバイスです。パワー半導体の役割や働き、その種類などパワー半導体の「基礎の基礎」を紹介します。 - 車載HUDで拡張現実投影を実現するレーザーダイオードドライバー
次世代の車載ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)として注目されるレーザー走査型HUD技術を、現行の液晶ディスプレイ方式やDLP方式のHDUと比較を交えながら紹介する。昨今登場してきているレーザーによるHUDを実現するレーザーダイオードドライバーICにも触れたい。 - 2つのICで低リップル、高効率の電源回路を実現
今回は、降圧型のスイッチング電源(SMPS)ICとリニアレギュレーターが抱えるそれぞれの問題点を解決する回路を紹介する。それは、高効率のSMPSを使用し、そのSMPSの出力に含まれるノイズ、リップルをLDOリニアレギュレーターによって低減するという手法である。