高速、高電圧絶縁のための絶縁LVDSバッファ:新しい絶縁LVDSデバイスが登場(2/3 ページ)
絶縁と長い距離にわたる高速相互接続を両立する場合、絶縁LVDS(低電圧差動信号)バッファが有効です。そこで、絶縁LVDSバッファの活用例を紹介するとともに、昨今の絶縁要件などを考察し、最新の絶縁LVDSバッファソリューション例を紹介します。
絶縁LVDSアプリケーション その2
2つ目の例(図3)は、LVDSベースのシリアルペリフェラルインタフェース(SPI)の作成方法を表しています。この設計でのインタフェースはアナログ-デジタルコンバータ(ADC)とASICの間を接続するインタフェースであり、テストおよび、測定アプリケーションに使用されます。2つの絶縁LVDSバッファが使用されており、一方は21構成(各方向に1つのチャンネル)、もう一方は20構成(両方のチャンネルが同じ方向)となっています。このソリューションは、高電圧に対する保護だけでなく、ノイズと電磁干渉(EMI)への耐性や、グランドループ絶縁を備えています。例えば、ADCで計測アプリケーションのACライン電圧のような高電圧を測定している場合、絶縁LVDSバッファには高い動作電圧と強化絶縁が必要です。
図4に示す3つ目の例は、2つのASIC間でのクロックとデータをベースにした汎用の双方向通信であり、2つの絶縁LVDSバッファを20構成で使用することにより実現しています。
従来は光ファイバ通信に頼っていたようなアプリケーションでも、絶縁LVDSを使用して、高スループットと超高電圧強化絶縁の両方を実現できます。このようなアプリケーションとしては、1000VRMSを大きく上回るシステム電圧を扱うモーター駆動などがあります。図5に示す概念ブロック図では、高電圧(HV/1000V超)出力を生成するために複数の低電圧(LV)基板(1000V未満)がスタック接続されています。
従来型の手法では、光ファイバ通信を使用してコントローラーと各LV基板が通信し、光ファイバリンクによって強化絶縁が提供されています。図5は、システムコストの削減を目的とした代替アーキテクチャを示しています。強化絶縁のために光ファイバチャンネルを使用してコントローラーと1つのLV基板が通信します。LV基板間の通信は、1000Vの機能絶縁をサポートする絶縁LVDSバッファを使用して行われます。
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