IIoT向け絶縁型RS-485差動バストランシーバー:Intersil ISL32741Eなど
Intersil(インターシル)は、産業用モノのインターネット(IIoT)ネットワーク向けに、絶縁型RS-485差動バストランシーバー「ISL32741E」「ISL32740E」ファミリーを発表した。データレート40Mビット/秒の双方向データ伝送を可能にしている。
データレート40Mビット/秒の高速データ伝送
Intersil(インターシル)は2017年8月、産業用モノのインターネット(IIoT)ネットワーク向けに、絶縁型RS-485差動バストランシーバー「ISL32741E」「ISL32740E」ファミリーを発表した。データレート40Mビット/秒の双方向データ伝送を可能にしている。1000個購入時の単価は3.79〜4.79米ドルで、評価ボードは99米ドルで提供する。
両製品は、ガルバニック絶縁機能を可能にする巨大磁気抵抗(GMR)技術により、電気的ノイズの多い環境で発生するコモンモードノイズから通信バスを保護する。パルススキューは5ナノ秒で、伝播遅延時間は20ナノ秒。3〜5Vの電源に対応し、超低放射エミッションやEMI感受性、125℃までの拡張温度範囲、1ユニットロード特性によるバス上最大160デバイス接続などの特徴を備えた。
4万4000年のバリア寿命を提供する他、サーマルシャットダウン保護機能により、バス競合が原因の損傷や過電流を防止する。非絶縁制御サイドは、3Vのマイクロコントローラーに直接接続できる。一方、絶縁バスサイドを5V電圧電源へ接続すれば、100m以上の距離でバス信号の通信が可能だ。
絶縁電圧はISL32741Eが6kVRMS、ISL32740Eが2.5kVRMSで、動作電圧はそれぞれ1000VRMS、600VRMS。ISL32741Eは12.8kVのサージ耐性を備え、要求の厳しい医療用途や高速モーター制御アプリケーションに対応する。
16ピンのQSOPまたはSOIC-Wパッケージで提供され、電磁適合性(EMC)規格EN 50081/EN 50082-2や情報技術装置(ITE)向けの包括的なライン電圧規格EN 61000に準拠している。
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