動作電圧範囲2.7〜4.5Vの単線式2ピンEEPROM:マイクロチップ AT21CS11
マイクロチップ・テクノロジーは、2.7〜4.5Vの動作電圧に対応する、単線式2ピンEEPROM「AT21CS11」を発表した。1KビットのEEPROMメモリ(256ビット×4セクタ)、64ビットのシリアル番号、128ビットの追跡用メモリを集積している。
製品保証や偽造品防止に活用が可能
マイクロチップ・テクノロジーは2017年11月、2.7〜4.5Vの動作電圧に対応する、単線式2ピンEEPROM「AT21CS11」のサンプル出荷と量産出荷を開始した。同社の単線式EEPROMの第2弾となる製品で、動作電圧を4.5Vまで拡張したことにより、使い捨て医療機器や電子タバコなど、リチウムイオンバッテリー動作機器に活用できる。
1KビットのEEPROMメモリ(256ビット×4セクタ)、64ビットのシリアル番号、128ビットの追跡用メモリを集積している。最終製品メーカーは、これら5つのメモリセクションを個別に永久ロックし、製品の追跡や付属品の識別用として活用できる。正規アクセサリー品のみを許可して製品を正常動作させることが可能になるため、製品保証や偽造品防止に適している。
追跡用メモリは、ユーザーによる書き込みが可能。同メモリを使用すると、一意の識別番号と動作パラメーターを電子機器本体とは別の場所に追加できる。また、SI/O(Single Input/Output)線でシステムに接続し、このピンで通信とデバイスへの電力供給を行う。他に必要となるのはグランドピンのみとなる。
8ピンSOIC、3ピンSOT23、2パッドXSFN、4ボールThin CSPパッケージで供給される。同社では、AT21CS01、AT21CS11単線式評価キットも提供している。
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