交通管理を新たに活気づける最新ミリ波レーダー技術:レーダー設計の課題に対処(2/3 ページ)
交通監視システムのセンサーとして、昼夜問わず、また悪天候下でも使用可能なレーダーシステムが注目されている。しかし、レーダーシステムは設計が複雑という課題を抱える。そこで、レーダーシステムの設計を簡素化する技術を紹介したい。
ミリ波レーダーベースの交通監視
レーダー、とりわけミリ波によるものが交通監視の1つの技術として注目されつつあります。ミリ波の特有の長所として、光や天候に左右されず、ビジョンベースのテクノロジーに比べて長距離からの検出が可能で、精度も向上しているため、交通監視アプリケーションで非常に優れた性能を発揮します(図1)。
交通管理システムが直面するセンシング上の課題において、ミリ波レーダーは輸送効率や安全性をさまざまな方法で向上させることができます。
【あらゆる天候状況で動作】
レーダー・アプリケーションやRF信号の伝搬に詳しい人であれば、レーダーが環境条件の変化に影響されないことをご存じでしょう。ミリ波には、夜間、煙、霧、雨といった悪条件でも正常にセンシングできる能力があります(図2)。そしてこの能力によってミリ波センサーは、変化する自然環境での屋外センシング向けに堅ろうで一貫したソリューションを提供します。
【高速移動体を広範囲に検出】
ミリ波センサーは、従来のレーダーシステムとの比較で数々の利点を持つ77GHz帯の高速周波数変調連続波(FMCW)レーダーです。77GHzレーダーシステムは、アンテナ設計とRFチャープ構成の組み合わせにより、150m以上離れて時速100km以上で走行する車両を含め対象物を容易に検出します。
【物体測定の精度】
演算処理を内蔵した高速FMCWレーダーは、視野に含まれる多くの反射対象物の距離、移動速度、角度を1秒間に複数回測定できます。それにより、ミリ波ソリューションを使用した交通監視システムは、複数の車両をリアルタイムで、高いレベルの距離および速度分解能で簡単に識別および追跡できます。
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