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交通管理を新たに活気づける最新ミリ波レーダー技術レーダー設計の課題に対処(3/3 ページ)

交通監視システムのセンサーとして、昼夜問わず、また悪天候下でも使用可能なレーダーシステムが注目されている。しかし、レーダーシステムは設計が複雑という課題を抱える。そこで、レーダーシステムの設計を簡素化する技術を紹介したい。

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レーダー設計における課題への対処

 しかし、レーダーソリューションの実装にはいくつかの課題もあります。現在のレーダーソリューションでは、完全なソリューションを作成するために複数のディスクリート部品が必要です。これには、RFフロントエンドやデジタル処理バックエンドが含まれます(図3)。


図3:RFフロントエンドおよびデジタル処理バックエンドに個別のチップを使用したディスクリートミリ波レーダー設計の概要

 ディスクリートレーダーシステムでは、MCUなどの中央処理装置からすべてのディスクリート部品への制御信号の誘導による電磁干渉(EMI)のため、「noisy」なシステムになりかねません。

 また、統合を欠くことで設計の複雑度が増し、システムのサイズ、コスト、消費電力が増加します。さらに、ディスクリートレーダーシステムでは、条件やアプリケーションのニーズが多岐にわたることでソフトウェアに関する課題も生じます。

 76GHz〜81GHzの周波数帯で動作する新しいミリ波ソリューションは、Armコアの強力なMCUをDSPとともに統合することで、これらの課題に対処しています(図4)。これらのシングルチップ・ソリューションでは、ディスクリートのフロントエンド、A-Dコンバーター、プロセッサの間で高速データ転送を行う必要がありません。

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図4:ミリ波レーダー・センサーのハードウェアおよびソフトウェア設計を単純化するシングルチップ・ソリューション

 処理チェーンがDSP上にだけ実装される一方で、Armプロセッサによって、追跡ロジック、物体の分類、交通統計レポート、I/O機能、センサー管理などの高度な処理および管理機能が実行されます。

 物体の検出と追跡は、交通環境を把握し分析するための重要なステップであることに留意してください。また、このシングルチップソリューションには、物体の検出、追跡、分類のためのリアルタイムインテリジェンスを提供する高度なアルゴリズムも搭載できます。

 DSPが物体のクラスタリングおよび追跡アルゴリズムを実行して、車両がどのように動いているかのデータを処理した後、MCUが動的な交通状況に対してインテリジェントにリアルタイムで応答できます。また、シングルチップソリューションではアプリケーションのサイズ削減も容易であり、視野内の物体の距離、速度、角度を正確に測定できます。

結論

 ミリ波センサーは独自の機能および能力により、センサーエッジで高性能な検出と分析を可能とするため、スマート交通監視アプリケーションへの最適な選択肢となります。また、シングルチップ・ソリューションによって、ミリ波センサー設計への参入障壁も低くなります。

【著者】
 ・Keegan Garcia(Texas Instruments レーダ・解析プロセッサ事業 マーケティング・マネージャー)

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