危険なモータードライバーの修理(2) ハイブリッドICの交換&学んだ教訓:Wired, Weird(1/3 ページ)
前回に引き続き、モータードライバーの修理の様子を紹介する。思わぬ落とし穴にはまって壊してしまったカスタムと思われるハイブリッドICを探すところから始めることにする――。
壊してしまった部品を手配
前回はモータードライバの修理で放熱板に高圧電源がかかっていたため専用の電源制御ICを壊したところまで説明した。今回はその続編で、修理を完了するまでを説明しよう。壊れた回路部分の写真を図1に示す。なおFETを絶縁タイプに交換した後の写真だ。
放熱板の落とし穴にはまって壊した部品は図1の上側のFETと左側の黒色の電源制御用のハイブリッドICとFETの後ろにある0.47Ωの抵抗だった。壊れたFETの代替品を探したら高耐圧、大電流の2SK2651が代用可能だった。このFETはドレインの放熱板がモールドで絶縁されており、この電源回路には最適な部品だった。抵抗はネットオークションで0.47Ω 1Wの抵抗を見つけ出した。100本での販売と、数量は多すぎるが安価だったので購入することにした。
問題のハイブリッドICを探すと……
今回の修理で最大の問題は、電源コントロール用のハイブリッドICの入手だ。型名はシルク印刷されている「BKD-CB0034H01-1」と思われた。Webで検索したら、三菱電機製のICで製造中止されており、データシートも見つからなかった。部品の購入先は国内では見つからなかったが中国の通販サイトで型名検索したら、新品と思われる部品が出されていた。値段は14.1米ドルと少し高いが、送料は無料だという。あまり使ったことのない通販サイトで信用してよいのかどうか不安はあったが、背に腹は変えられず思い切って注文した。
商品の写真にも形名が記載されており、壊した部品と同じ型名だった。注文して2週間後に部品が届いた。中国から届いたエアメールの封筒の写真を図2に示す。
図2には部品の価格が7USD(=7米ドル)と記載されており(赤枠部)、購入価格の半額だ。どうも出品者には7米ドルがわたり、通販サイトは残りの7米ドルを配送費用や運営費用に充てているようだ。また届いたICのリードをよく見るとハンダが少し残っており中古の部品のようだ。ともかく修理部品がそろったので、部品の交換に取り掛かった。
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