連載
反相回路を持つ減圧機器の修理(前編) 難航する不良箇所の特定:Wired, Weird(2/3 ページ)
今回は三相電源の接続を監視する反相回路を持ったコントローラーの修理について報告する。
まずはスイッチング電源から
説明資料がないのでどこに不良があるのかが分からない。まずはどうやって不良部品を探そうかと考えた。修理の依頼元へ取扱説明書の開示を依頼したが、何の返事もなかった。とりあえずは構成部品を1つ1つ調べていくしかない。まずはスイッチング電源を外して単体で確認した。図3に示す。
電源の出力はDC24VでAC100Vを入れるとDC24Vが出力された。1A程度の負荷を掛けたが、出力電圧は正常だ。電源は問題ないようだ。この電源はユニバーサル電源であり、AC85VからAC240Vで動作するスペックだった。
リレー基板を確認
次はリレー基板だ。図4に示す。
リレー基板にはDC24Vリレーが8個、AC24Vリレーが2個、それにAC200Vリレーと抵抗器、コンデンサーが実装されていた。パターンを追いかけたらAC200Vリレーと抵抗器、コンデンサーが電源入力のR、S、Tの各端子に接続されていた。
とりあえず実装されている部品を1つずつ確認した。DC24V、AC24Vのリレーは正常に動作していた。AC200VのリレーにAC100Vを印加したが作動せず、振動音のみ(定格はAC200V)が聞こえた。
AC200Vリレーは動作しているが接点が開放タイプのリレーだったので、NO接点の接触不良が予想されるので交換した方がよいと考えた。リレーに接続された抵抗器はカラーコードと同じ56kΩで問題なく、コンデンサーは固体コンデンサーなので容量抜けの心配もないだろう。リレー基板も問題はなさそうだ。
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