反相回路を持つ減圧機器の修理(後編) 逆相検知の仕組みを理解する:Wired, Weird(2/3 ページ)
減圧機器のコントローラー修理の続きを紹介する。前回は、詳細に調べなかったリレー基板を調べると、よく分からない回路が出現したので、調べて見ることにした――。
反相(逆相)検知回路の仕組みを理解する
図1の回路図を詳しく見るとR相にコンデンサーがあってR相が進むので、正相で接続されているとS相に接続されたACリレーに電圧が印加され、ACリレーが動作して保持される。だが、逆に接続するとACリレーに十分な起動電圧が印加されず動作しないと推測された。
疑問があったので部品メーカーの富士電機に反相リレーの動作原理について質問してみたところ、説明資料が添付された分かりやすい回答があった。その説明資料の一部を図2に示す。
図1の回路図と図2は部品と相の位置は違っていたが、三相電源が正しく接続されているとリレーに大きな起動電流が流れてリレーが動作することが分かった。その結果、AC200VリレーのNO接点がオンして、正相接続OKの信号が出るという仕組みをやっと理解できた。
各部品の定数が決めるには……
しかし、リレーのインダクタンスや抵抗の値とコンデンサーの値はどうやって決められるのかが分からなかった。このためパーツショップから富士電機の反相リレーを購入して分解し、実装されている抵抗とコンデンサーの定数を確認した。図3に示す。
図3が反相リレーのベース部分を分解した写真とメモだ。メモに書き出した通り、R相には56kΩの抵抗、S相には68nFのコンデンサー、T相にはリレーのコイルが接続されて、それぞれの部品の端子が中点で接続されていた。反相リレーと図1の回路は三相電源の相の位置は違うが、同じ回路の接続だった。これで反相リレーの実際の定数が分かった。また正常に動作するにはこの定数を守る必要があると思われた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.