Bluetooth meshネットワークの基本概念(後編):Bluetooth mesh入門(2)(3/3 ページ)
Bluetooth meshを正しく理解するための基礎講座。第2回となる今回は、Bluetooth meshのノード間のデータ転送で使われる「メッセージ」や、そのメッセージで使われる「アドレス」について解説します。
メッセージの交換
Bluetooth meshネットワークでは、メッセージのやりとりにパブリッシュ/サブスクライブモデルを採用しています。メッセージを生成するノードは、メッセージを「パブリッシュ」するといいます。メッセージの受信を希望するノードは、希望する相手に「サブスクライブ」します。メッセージはユニキャストアドレス、グループアドレス、仮想アドレスのいずれにもパブリッシュできます。
メッセージは他のメッセージに対する返信としても送信できます。また、相手から送信の要求(サブスクライブ)がなくても送信できます。モデルが返信のメッセージを送信する場合には、受け取ったメッセージの送信元アドレスを送信先アドレスとして使用します。相手からの送信の要求なしにメッセージを送信する場合には、相手モデルのパブリッシュアドレスを送信先アドレスとして使用します。ノード内のどのモデルも、パブリッシュアドレスを1つ持っています。
メッセージの受信については、ノード内の各モデル(ノード内に複数のモデルが存在する可能性がある)が、1つ以上のグループアドレスまたは仮想アドレスにサブスクライブし、メッセージを受信します。
モデルは「サブスクリプションリスト」に、メッセージを受信できる相手の有効なアドレスを設定します。メッセージを受信すると、モデルは自分のサブスクリプションリストを確認します。送られてきたメッセージの送信先にあるモデルのエレメントのユニキャストアドレスまたはノードの固定グループアドレスがサブスクリプションリストに設定されている場合に、マッチしていると認めます。図3は、アクセスメッセージで使われる各アドレスタイプについて送信元/送信先アドレスとして使用可能か否かを示しています。
Bluetooth meshで各種ノードのステータスがパブリッシュされると、Bluetooth meshネットワークのどこにあるシステムでも、送信元ノードからの距離とは関係なく、そのデータにサブスクライブできます。このようにして、ネットワーク上の設備が、施設の全く別の場所にいる管理者と、距離に関係なく低消費電力のワイヤレスメッセージで通信することができるのです。
Bluetooth meshネットワークの基本概念を理解したところで、次回はトポロジーの細部を深く掘り下げて見ていきましょう。Bluetooth meshネットワーク上のデバイス管理について解説します。
特別監修:アリオン株式会社
アリオンは、IT/IoT製品の品質検証や規格ロゴ認証、相互接続・互換性、性能評価、比較試験といった総合的な第三者検証ソリューションを提供する製品品質検証および技術コンサルティング企業です。アリオンにはBluetooth SIGから認定を受けた、製品認証をサポートするBQC(Bluetooth認証コンサルタント)が在籍しています。
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