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高速シリアル伝送におけるジッタの種類とその特長高速シリアル伝送技術講座(10)(3/4 ページ)

前回は高速シリアル伝送で使用されるSerDes(シリアライザ・デシリアライザ)について説明しました。今回はSerDesなどの高速シリアルI/Fで、波形測定の際に観測されるジッタの種類とその特長について説明していきます。

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確定的ジッタ(DJ)の種類と特長

 確定的ジッタ(DJ)は特性により周期性ジッタ(PJ)、データ依存性ジッタ(DDJ)、クロストークなどによる最大値をもつ有限非相関ジッタ(BUJ)に分類が可能です。これら各ジッタの特長を説明していきます。

1:周期性ジッタ(PJ: Periodic Jitter)

 特定の周期、周波数を持つジッタで、データと相関関係がないジッタです。PJはジッタの大きさとその周期(周波数)で表わします。

 スイッチング電源のスイッチング周波数による電源ノイズ、近隣の一定周期で動作するデバイスの電源引き込みによる電源変動、クロック周波数を低周波で変動し、不要輻射エネルギーを分散させるSSCG(スプレッドスペクトラムクロックジェネレーター)、一定の周期性を持つ近接チャンネルからのクロストークもこのジッタに分類されます。

2:データ依存性ジッタ(DDJ:Data Dependent Jitter)

 データ依存性ジッタ(DDJ)はデータと相関関係のあるジッタです。このジッタはデューディ・サイクルディストーション(DCD)とシンボル間干渉(ISI)に分類できます。どちらもデータの特定な変化で発生するジッタです。

2-1:デューディ・サイクルディストーション(DCD:Duty Cycle Distortion)

 出力バッファが理想的なスイッチング特性を持ちHigh,Low出力信号を完全な「50%対50%」のデューティ・サイクルで出力した場合、出力HighとLowの時間変化は同じとなり、デューティ・サイクルの歪み(ディスト―ション)は0になります(図6上)。

 しかし、実際は出力バッファのHighからLow、LowからHighのスイッチング特性の差(図6下)やスイッチングタイミングのずれにより、50%対50%のデューティ・サイクルになりません。この歪みがデューディ・サイクルディストーション(DCD)のジッタです。


図6=「50%対50%」Dutyの出力 / =エッジレートの差でDutyが崩れた出力

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