スマートで低消費電力に ―― 省エネを推進する次世代照明の電源とは:市場ニーズを考察(2/2 ページ)
LED照明の普及が進んでいる中で、LED照明の電源に求められる要素とはどのようなものかを考察します。
節電照明のためのスマートソリューション
AC主電源に接続できる白熱電球とは異なり、LEDは定電圧(CV)または定電流(CC)電源を必要とする低電圧デバイスです。これらの電源は、照明ソリューションの全体的な効率に重大な影響を及ぼすため、特に待機電力に関しては、LED自体と同様に詳細な調査が行われています。
LED市場の非常に重要な部分は、従来式の照明を簡素化する(または置き換える)ことです。LEDは汎用性がありサイズも比較的小型なので、白熱電球を実装できなかった場所でも使用できます。ただし、LEDや関連する電源をこのような狭小空間に取り付けるには、高効率でコンパクトな電源設計が必要になります。
LEDの課題の一つは良質な光を維持しながら、輝度範囲全体にわたって調光機能を提供することでした。多くのソリューションは「フリッカー(ちらつき)」を含んでおり、これによって特に工場や、やがて路上を走行するであろう車の車載システムなど、センシングにカメラを使用する環境で問題を生じる可能性があります。
設計者が、高効率かつ幅広い調光が可能な、小型でちらつきのない照明ソリューションの実現に挑戦している一方で、消費者や設置者は、LED自体に見られるような低価格化を電源に対しても期待しています。
25〜100WクラスはLED照明ソリューションで最も一般的な応用先の一つです。ここで、一般的なアプローチは、マイクロコントローラ(MCU)に制御信号(調光制御を含む)と定電圧を提供する力率改善(PFC)ステージを使用して、主電圧の初期降圧とレギュレーションの2ステージ変換を使用することです。2番目のステージは、MCUからの調光要件を考慮して、安定化した電圧をLEDへの供給電流に変換します。
ただし、最新のLED照明に対するこれらの比較的複雑な要件を満たすには、革新的な半導体による制御ソリューションが必要とされています。そうした中で、市場のニーズを満たす節電照明ソリューションを実現するICが登場しています。1次側レギュレーションおよび力率改善用IC「FL7740」(ON Semiconductor製)と降圧型DC-DCコンバーターIC「FL7760」(同)もその一つです。これらのデバイスを組み合わせて使用することで、アナログ/PWM調光の両方に対して正確なCV/CCレギュレーションとサポートを提供します。
FL7740は外付け部品がほとんど不要で、スマート照明の重要な仕様である待機モードでの消費電力が0.15W未満であり、Energy Starなどの規制に容易に適合できます。
FL7760は、5〜100%の広いアナログ調光範囲をサポートします。PWM調光はフリッカーや可聴ノイズなどの固有の問題があるため最適な方法とは言えませんが、0〜100%のPWM調光もサポートしています。FL7760はアナログ調光とPWM調光をシームレスに組み合わせて、フリッカーや可聴ノイズなしで0〜100%の範囲をカバーできます。
LEDベースのスマート照明を実現するだけでなく、容易に導入でき、より効率が高く、小型で低コストな最先端半導体技術により、比較的近い将来、作業環境や生活環境を改善しながら、数十億kWhの節約が可能になると期待されています。
【著:James Lee/ON Semiconductor 照明部門マーケティング担当】
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