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工具は預けるべし!? 保安検査後に動かなくなった工具の修理Wired, Weird(2/3 ページ)

今回は、飛行機に登場する際の保安検査後に動かなくなってしまった修理工具(LED付きルーペとテスター)の修理の様子を紹介する。急いでいるときは、機内に手荷物として持ち込みたいが、やはり預ける方が賢明のようだ――。

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1Aを超える電流が流れた!

 次にテスター(デジタルマルチメーター)を確認する。テスターのつまみを回しても表示の液晶が点灯しない。ケースからテスターを取り出し、カバーを開けてボタン電池を取り出した。3Vあるはずの電圧が2Vしかなかった。しかし電池を新品に交換しても正常に動作しない。原因を確認するために電池の代わりに安定化電源を使って3.0Vに設定してテスターに印加したら、なんと1Aを超える電流が流れてしまった。これはやばい! テスターに実装されたICが壊れたのかもしれない。テスターの操作面の写真を図2に示す。

テスターの操作面
図2:テスターの操作面

 このテスターは三和電気計器製で型名は「PM3」。小型で軽く、使いやすい愛用のテスターだ。通常では右側のつまみを一番左のOFFから右へ回すと液晶パネルが点灯し、操作が可能になる。テスターのカバーを開けたところの写真を図3に示す。

テスターのカバーを開けたところ
図3:テスターのカバーを開けたところ

 図3で外カバーのネジを外し、カバーを開けてボタン電池を外した。ハンダ面には圧電素子のブザーが搭載されていた。テスターのつまみを固定しているEリングをなんとか外し、基板を固定している6個のネジを外して基板を取り出した。テスターのICが搭載されている部品面の写真を図4に示す。

ICが搭載されていた部品面
図4:ICが搭載されていた部品面

 テスターの中央のICの表面には「FS9711-LP1」と印刷されていた。データシートをWeb検索すると「FS9711-LP3」のデータシートが見つかった。LP1とLP3ピン数は同じだったので、LP3の回路図を見てLP1の電源端子の配置と照らし合わせると同じ配置だった。

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