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代替部品が見つからない減圧ポンプコントローラの修理 (スイッチ編)Wired, Weird(1/3 ページ)

今回は、代替品がないスイッチの交換方法と2台目の修理経過を報告する。

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 前回は、減圧ポンプコントローラを確認したら5V電源が不良だったが、電源が購入できず24Vからダウンコンバーターで5Vを生成してなんとかCPU基板が動作した。しかし操作パネルに実装されたスイッチも不良がありクリック感がなく、接点をクリーニングする仮修理を施して納品した。しかし顧客から「スイッチも交換するように」と追加の依頼がきてしまった。しかも、同じ減圧ポンプコントローラの修理をもう1台依頼されてしまった……。

 というわけで、今回は、代替品がないスイッチの交換方法と2台目の修理経過を報告する。


ひとまずスイッチを分解し観察する

 返却された機器のパネルに実装されていた押しボタンスイッチ3個の接触抵抗をテスターで確認すると、3つのスイッチともに十分なオン抵抗が得られなかった。このためスイッチを分解して内部を確認した。スイッチの分解写真を図1に示す。


図1:スイッチを分解した様子 (クリックで拡大)

 このスイッチの型名はケースに「0343SS」と刻印されており、日本航空電子(JAE)製の操作スイッチだった。図右側の青の部分がスイッチ出力でその上に銅の円盤(銅盤)と黒ゴムのクッションを乗せ、図左側の黒い操作部分を取り付けてある構造で、スイッチを押すことで接点がオンするように作られていた。また銅盤と操作部の間にある黒ゴムのクッションでスイッチ操作の確実性を高めていた。

 スイッチの動作不良の原因は銅盤の腐食(緑錆)とクッションゴムの劣化にあった。銅盤の接点部に錆があり接触部分が接続不良になってしまい、かなり強く押さないとスイッチが動作しない。また黒ゴムに穴が開いてクッション性がなくなっていた。このスイッチはオープンタイプで周囲の湿気やハロゲンガスが侵入し、接点部が錆びて動作不良になったようだ。

 交換部品を探したがメーカーであるJAEのWebサイトにはこのスイッチのデータシートはなく、生産も行われていないようだった。この型名の照光式押しボタンスイッチはWeb検索してもヒットせず、入手できなかった。

 前回の修理ではスイッチを分解し、表面をクリーニングしてなんとかスイッチがオンできるまでは改善した。しかし、スイッチのクリック感が全く戻らなかった。しかたなくそのまま納品したが、やはり依頼先でもスイッチの操作はスムーズに行えなかったようだ。

 さて、どうやってスイッチ部を修理したら良いだろうか?

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