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記録計の内部構造と、使用時に注意したいポイント記録計/データロガーの基礎知識(2)(1/5 ページ)

今回は記録計を利用する際に必要な基礎知識を解説して、信頼性の高い測定結果を得るための方法や効率的に測定する方法を紹介する。【訂正あり】

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 本記事は、計測器専門の情報サイト「TechEyesOnline」から転載しています。


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 今回は記録計を利用する際に必要な基礎知識を解説して、信頼性の高い測定結果を得るための方法や効率的に測定する方法を紹介する。


記録計の内部構造

 記録計には古くからある紙に記録するタイプと、最近主流となっているペーパーレス記録計がある。紙に記録するタイプは機構部分があるため複雑な構造になっている。

紙に記録するタイプの記録計(チャートレコーダー)の構造

 紙に記録するタイプの記録計にはさまざまなタイプがあるが、ここではマイクロプロセッサを搭載した「μR10000」のペンモデルを例に説明する。


図1:「μR10000」の外観(2004年) 出典:横河電機

【訂正】記事掲載当初、図1の画像に誤りがありましたので差し替えました。(2019年1月25日午後1時40分)


図2:「μR10000」ペンモデルの全体構成ブロック図 (クリックで拡大)

【入力部】

 電圧(シャント抵抗と組み合せで電流も可)、熱電対、測温抵抗体、接点が接続できる構造になっている。入力は本体から絶縁されているため、コモンモード電圧が異なる入力も接続できる。

 最近の入力部はA/D変換器にスキャナーが組み合わされて、2入力を1つのA/D変換器で取り扱えるようになっている。A/D変換器の積分時間は電源ノイズの影響を受けないように、電源周波数を自動的に検出して、20ミリ秒もしくは16.67ミリ秒になる。

 熱電対を利用した場合には基準接点補償(RJC)が必要となるため、入力部には端子台の温度を測定する機能を有する。

【ペンサーボ】

 入力された信号に比例した位置にペンを移動させる機構のことをペンサーボという。紙に信号波形を書く記録計の場合は、この機構の開発が重要となる。従来は駆動にDCブラシレスモーターが使われていたが、新しい記録計では低消費電力のステッピングモーターが使われるようになっている。

 μR10000では下記の3つの要素で構成されている。

  1. ステッピングモーターおよび、ラック&ピニオン機構
  2. 光エンコーダーによる位置検出機構
  3. 制御回路

【プロッタ】

 μR10000では記録紙に波形とともに、記録紙の余白にチャンネル番号やタグネームや記録時間、さらにはゼロ、スパン値などの情報を印字することができた。

【マンマシン】

 限られたエリアで分かりやすい表示を行う工夫がされている。各ペンの位置を示すバーグラフ表示と数字や文字を表示する領域に分かれている。表示器は視認性のよい自発光のフルドットVFD(蛍光表示管)が使われている。

 μR10000は工業用記録計であり設定を頻繁に変える必要がないため、キーボードは扉を開けた内部に取り付けられている。

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