突然タンタルコンが燃えた ―― バッテリーを逆接した基板の修理(1):Wired, Weird(1/3 ページ)
今回はバッテリーが逆接続された基板の修理について報告する。電源を逆接続したら基板に搭載された部品にどのような現象が起こり、どのように部品が壊れるかを検証するのによい機会になった。
EDN Japanが運営していた電子掲示板(BBS)サイトに『バッテリーを逆接しました』というタイトルの投稿があった。このBBSサイトは筆者もメンバーとして利用していたのだが、2018年にサイトは閉鎖されてしまっている。
さて、「バッテリーを逆接しました」という書き込みの話題に戻ろう。筆者も基板に電源を逆に接続した経験はある。しかし、電流値が小さかったので部品は破損せず、正規に電圧を接続したら基板が正常に動作したという記憶がある。この書き込みの投稿者は、バッテリーをダイレクトに逆接続したということらしく、電流制限がされていなかったようだ。そのため、基板にかなりのダメージが残っているようだ。
そこで、投稿者を助けるため、BBSサイトに返信したところ、筆者で修理を行うことになった。その修理は、電源を逆接続したら基板に搭載された部品にどのような現象が起こり、どのように部品が壊れるかを検証するのによい機会になった。というわけで、今回はバッテリーが逆接続された基板の修理について報告する。
パターンが断線、回復はかなり難しそう
BBSサイトに投稿された内容は、次の通りだ。
12V水中ポンプ用のポンプコントローラーをバッテリーの極性を間違えてつないでしました。煙がでたので基板を外してみたら2mm幅ほどの銅箔が基板からはがれて切断されていました。銅箔をハンダ付けしましたが、回復しませんでした。素人ですが、取りあえず電源用と思われるトランジスタを交換してみようと思います。近接しているダイオードは外してテスターでチェックしたら壊れてないようでした。購入先にはこちらの不注意なので交換のお願いはできないし、とても高価な製品なので再購入は難しいので、なんとか直したいと思いますのでよろしくお願いします。
この投稿内容からすると、基板の回復はかなり難しいと思われる。だが、投稿者の気持ちを思うと可能な限り支援してあげたくなった。上記書き込みとともに投稿されたパターンが断線した基板の写真を図1に示す。
図1でパターンが剥離し一部が断線していた。パターンには大きな電流が流れて過熱したようだ。後日だが投稿者から送ってもらった基板の部品面の写真を図2に示す。
図2の基板の端子の構成からすると、PV端子に電源を投入し、ポンプへPUMP端子から電源を供給してポンプを動作させる仕様と思われた。図2左側のリアクタンスと2個のパワーデバイスと電解コンデンサーでポンプを動かす電源を生成しているようだ。
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