突然タンタルコンが燃えた ―― バッテリーを逆接した基板の修理(1):Wired, Weird(2/3 ページ)
今回はバッテリーが逆接続された基板の修理について報告する。電源を逆接続したら基板に搭載された部品にどのような現象が起こり、どのように部品が壊れるかを検証するのによい機会になった。
修理を引き受け、基板の実物を確認
投稿者へICの型名や故障した製品名称を教えてほしいと依頼したが、いろいろ都合があるらしく、なかなか基板の情報が得られなかった。何度か掲示板経由でアドバイスを送ったが、投稿者は修理用のテスターの持ち合わせがないらしい。これは困った。投稿者は電子回路の初心者らしく、BBSを通じてのオンラインでの修理支援は難しいと思われた。10回ほどBBSでのやりとりを行った結果、投稿者からこの基板の修理を依頼された。
この不良解析はバッテリーを逆に接続したら、基板がどのように破損するのか確認するよい機会になるだろう。そこで、修理を引き受ける条件として、本連載に修理の経過や結果を紹介するということを申し出たら、投稿者(修理依頼主)からの承諾があり修理を引き受けることにした。
それから数日後、コントロール基板が送られてきた。早速、バッテリー端子とポンプ端子の接続を確認した。図3に示す(図3では破損したトランジスタとタンタル電解コンデンサーを交換している)
図3の上側にメモで電源部の接続図を書いたが、バッテリーを逆接続すると、パワーMOSFETの保護ダイオードとSBD(ショットキーバリアダイオード)を通して逆方向に電源が短絡される。電流制限抵抗が回路上にはないのでパターンに10A以上の過電流が流れ、過熱してパターンが断線したことが分かった。
また、基板にはCMOSロジックICとブラシレスDCモーターのコントロールICも実装されていたので、この2つのICにも逆電流が流れたようだ。
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