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メモリレコーダーの構造と利用上の留意点メモリレコーダーの基礎知識(2)(2/4 ページ)

メカトロ機器、電力設備、機械、材料、バイオなど幅広い分野で波形観測に使われる「メモリレコーダー」の基礎知識を紹介する連載第2回。今回は、製品の内部構造、利用上の留意点などについて説明します。

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メモリレコーダーの利用上の留意点

 メモリレコーダーは、さまざまな環境下で電気信号や物理量の変化を多チャンネルで観測するため、製品を利用する場合には、いくつか留意することがある。ここでは主なものを紹介する。

ノイズ対策

 インバーター機器など、コモンモードノイズを発生する製品の評価をメモリレコーダーを用いて行う場合は、コモンモードノイズの影響を受けないようにする。そのためには、下記のことに留意して波形観測環境を構築する。

 【1】コモンモード電流が入力アンプに流れ込まないように絶縁入力モジュールを選択する。


図6:絶縁入力アンプによるコモンモードノイズ対策

 【2】ノイズを含んだ動力線などの配線と波形観測を行う信号線は分離して、信号線はノイズの影響を受けないように撚り対線(ツイストペアケーブル)を用いる。また、必要であればシールドも行う。


図7:ツイストペアケーブルの効果

ノーマルモードノイズは、メモリレコーダーに内蔵されているフィルターもしくは、外付けの周波数可変フィルターなどによってノイズ成分を除去する。

 【3】メモリレコーダーを駆動する商用電源からのコモンモードノイズの影響を受ける場合は、ノイズ除去トランスを用いる。


図8:ノイズ除去トランスによるノイズ対策

 【4】交流磁界を発生するトランスやモーターの近くにメモリレコーダー本体や信号線を近づけない。

 【5】非絶縁入力モジュールを利用する場合は、コモンモードノイズを除くために差動プローブや光絶縁プローブを用いる。

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